信頼できる人
「俺、腹立ちました。腹立ちますよ、それ。」
ちょっと前に悲しいことがあった。
とても悲しかった出来事だったのでわたしはひどく落ち込んだ。
もう元気だし、今はとても幸せなのだけど、
たまに思い出して悲しくなる時がまだ時々だけど、ある。
先週末、ガヤガヤした渋谷の居酒屋で会社の先輩と同僚とお酒を飲んでいた。
ふとした流れでその出来事を話すことになり、
わたしは「実はこういうことがあって〜〜」と笑いながら要所をかいつまんで説明した。
すでに知っている先輩たちは「どんまい」と笑いながら励ましてくれたが
同僚1人だけ様子が違った。
とても真面目な顔で、わたしの目を見ながら
「俺、腹立ちました。腹立ちますよ、それ。」
と怒っていた。
びっくりした。
それと同時に、泣きそうになるくらい、嬉しかった。
今思い出しても目に涙がたまるくらい、わたしはとても嬉しかったのだ。
あぁ、怒ってもいいんだ。
そう思った。
彼とは仕事の絡みもそこまで多くないし、お互いのプライベートを開示し合ってる仲でもない。
でも彼は、わたしの出来事に、本気で怒ってくれたのだ。
そんな最高なこと、ある??
いい奴かよ。
わたしはあの出来事をどうしても喜劇にしたかったのだ。
だから悲しむことよりも笑ってしまいたかった。
怒りたくもなかった。そのために必死だった。
でも、心の奥底で眠らせておいた
「それっておかしいじゃん」という怒りを
彼はストレートに呼び起こしてくれた。
ありがたい出来事だった。
そして、わたしの周りには「信頼できる人」がたくさんいるんだと、思えた夜だった。
きっと悲しいことがあるたびに、この事を思い出してまた元気をもらうんだろうなぁ。
本当にしあわせ者だ。
みんなありがとう、愛してるよ!!