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【新業務】アブレーション治療とは?大隅鹿屋病院CE科のアブレーション治療開始への道のり
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それでは記事本編をどうぞ!
アブレーション治療って何?
アブレーション治療が対象とする病気
アブレーション治療は、主に不整脈の治療として広く知られています。
不整脈は、心臓のリズムが不規則になる状態を指しますが、これには心房細動や心室頻拍など、さまざまなタイプがあります。
この治療法は、特に薬物療法では効果が不十分な場合に利用され、根本的な治療として期待されています。
例えば、心房細動の患者さんの場合、心臓の一部が異常な電気信号を発し、正常なリズムが維持できなくなります。
この結果、心拍が不規則になり、息切れや疲労感、場合によっては血栓形成などのリスクが高まることがあります。
アブレーション治療では、この異常な信号を出している部分を焼灼(しょうしゃく)や凍結によって破壊することで、心臓のリズムを正常に戻します。
心房細動と心室頻拍とは?
心房細動:心臓の上部(心房)が異常な電気信号を発し、心拍が不規則になります。この状態が続くと、心臓全体の効率が低下し、血栓ができやすくなります。アブレーションは、この異常な信号を遮断することで、症状を改善します。
心室頻拍:心臓の下部(心室)で発生する異常な電気信号によって、心拍が非常に速くなります。この状態が続くと、心停止や命に関わる状況に陥る可能性があります。アブレーション治療は、この不整脈の根本原因を解消する手段の一つです。
アブレーション治療が有効な理由
この治療法のポイントは、薬物療法では改善しにくい不整脈にも有効で、症状を根本的に解決できる可能性が高いという点です。薬で症状を抑えるだけではなく、異常な電気信号の発生源を直接破壊するため、長期的な効果が期待できます。手術後の回復も比較的早く、患者さんは通常数日で日常生活に戻ることができます。
アブレーション治療で使われる2つの主な技術
アブレーション治療には、主にRFアブレーションとクライオアブレーションという2つの技術が使われています。それぞれの技術には独自のメリットがあり、患者さんの状態や不整脈の種類に応じて使い分けられます。
RFアブレーション(ラジオ波アブレーション)
RFアブレーションは、ラジオ波を用いて心臓の異常な電気信号を発している組織を焼灼する方法です。具体的には、カテーテルと呼ばれる細い管を患者さんの足の付け根や首などから血管を通して心臓に挿入し、ラジオ波で熱を発生させて、異常な部分を焼きます。この熱によって、異常な電気信号を発する組織が破壊され、心臓のリズムが正常に戻ります。
RFアブレーションのメリット:
長年にわたって使われてきた技術で、安全性が高く、確立された方法です。
多くの症例で使用されており、特に心房細動の治療に効果的です。
カテーテル操作が比較的簡便で、治療時間も短縮されやすい傾向があります。
クライオアブレーション(冷凍アブレーション)
一方、クライオアブレーションは冷凍技術を使って、異常な組織を凍結することで電気信号を遮断します。RFアブレーションと異なり、組織を低温で処理するため、周辺組織への影響が少ないのが特徴です。このため、特定の部位に適した治療法として選ばれることが多く、特に心臓の精密な部分での治療に適しています。
クライオアブレーションのメリット:
冷却による処理で、組織を損傷するリスクが低いため、特定の心臓の部位に対して安全性が高い。
症例によっては、RFアブレーションよりも効果的である場合があり、特に複雑な不整脈治療に使われます。
異常な電気信号を確実に遮断できるため、再発のリスクが低いとされています。
大隅鹿屋病院アブレーション治療開始への道のり
大隅鹿屋病院、アブレーション治療始動!
9月21日、大隅鹿屋病院では、“カテーテルアブレーション治療”を開始!
臨床工学技士は、心内心電図解析装置や3Dマッピング装置、プログラム刺激装置の操作をおこないます。
心内心電図は、体表で取る心電図とは違い、心臓内に直接電極を持って行って測定する為、患者さんにより原因が様々で難しいです。しかし、それだけやりがいがある業務です。
CE科では新たにアブレーションチームを結成しました。
今回の記事では、アブレーションチームのリーダーにインタビューをさせていただいたのでその内容を下記していきます。
アブレーション治療導入の際、苦労した点
Q.アブレーション治療導入の際、苦労した点は何でしょうか?
アブレーション治療にはナビゲーションシステムをはじめ数多くの機材や電極カテーテルを使用します。
手術はカテーテル先端の磁場センサー用いて3Dでシステムに認識させて同時に心臓内の電気信号も三次元像上に表記することでより詳しく不整脈の解析が可能になり安全に治療が行えるようになりました。
当科ではこれまでアブレーション治療の経験がなく、これらのシステムを導入するにあたり電極カテーテルやケーブル関連を覚えるところからはじまり、導入前の透視室の磁場環境調査やモニタリング関連の機材調整は時間を要しました。
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臨床工学技士の役割について
Q.アブレーション治療の際、臨床工学技士の役割について考えをお聞かせください。
主にナビゲーションシステムやラボシステム関連の術前準備から術中操作を行い、医師とのコミュニケーションをはかりながら円滑なABL治療のサポートをすることが役割と考えています。
知識はもちろん医師など様々な多職種とのコミュニケーションが重要です。
それは他の業務に通づるところではありますが、円滑に意思疎通ができるよう良好な人間関係を築く努力も必要だと、インタビューの回答を受けて感じました。
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アブレーション治療における臨床工学科の今後の展望
Q.アブレーション治療における臨床工学科の今後の展望をお聞かせください。
当科ではまだ発展途上の分野ですので、まずは積極的な業務介入を行いCE業務の細分化をしていきます。
また将来的には学術集会へ参加やアブレーション専従CEの配置を行い専門知識や技術面のブラッシュアップに取り組みたいと考えています。
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さいごに
いかがでしたでしょうか?
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それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!