英検®︎一級合格へのセルフコーチング vol.1
12月16日に2025年1月26日実施の英検®︎一級に申し込みました。
残された時間は1ヶ月と少し。ここから合格に向けたロードマップを作成しそれに従って自分がどこまでやれるのか、このnoteで公開していきたいと思います。
一級受験を目指すみなさんの最高の指南書になれば幸いです!そうでない方も、英語コーチがどのように資格試験に向けて勉強するのか、ご自身の学習と照らし合わせるなどして生かしていただけると嬉しいです。
不定期連載となりますが、どうぞお付き合いください!
まずは単語の仕分けから!
英検®︎受験を考えたときに真っ先に思いつくのが「ネイティブでもわからない単語が出題される」という、試験問題のリーディングセクション大問1の22問の対策です。
たまに英検®︎関係のYouTubeなんかをみていると「単語はやらなくていい!」みたいなのがありますけど、僕はこれには明確に意義を唱えます。大問1が勝負を決すると言っても過言ではないくらい、英検®︎のリーディングセクションにおける単語対策は重要であり、必須です。
英検®︎の学習を通じて学んだ単語は将来英語を使って何かをするときに必ず役に立ちます。僕たちは英検®︎に合格するために英語を勉強しているのではありません。その先にある何らかの、英語を使いこなすことで叶えたい何らかの「夢」のために学習している。違いますでしょうか?
英検®︎はいわばその通過点にすぎません。そのことを考えたときに「単語なんか勉強しなくていい」というのは暴論を通り越して、英語を使って素晴らしい未来を実現したいと願うすべての英語学習者に対する冒涜であるとすら思います。
閑話休題。
単語学習は英検®︎対策の鉄板書の一つである『出る順パス単英検一級』(旺文社)を使用します。「簡単になってしまった」との悪名高い5訂版です。
「Abceed」というアプリを使って掲載語2100+熟語300の計2400語を「分かる/分からない」に「仕分け」していきます。
基準は「1秒以内に英語→日本語の意味を想起できるかどうか?」。うーん…と沈思黙考してかろうじて意味を想起できるものは「知っている」とはいえない。実際の英語運用の場面で使えない単語だからです。
これはコーチングでクライエントさんに課している単語暗記の基準でもあります。
結果はこちら。単語の「知っている」率は86%。熟語はかなり下がって61%でした。
ちなみに、英検合格のための戦略的には熟語は「捨てていい」パートです。学習しなくても勝負はできます。でも僕は趣味の多読に大いに役立つという意味でも、今回の受験を機に熟語とちゃんと向き合ってみたいと思い、学習することにしています。
英語学習は時間管理
各単語にかける時間が1秒なので、100個を1単位として仕分け作業を実施するとするなら一回あたりかかる時間は1分40秒。バッファをとって3分100個実施できるとすると、『出る順パス単英検一級』の全掲載語を仕分けるのにかかる時間は24セクション×3分=72分です。
これを朝の仕事前や通勤の電車などのスキマ時間に複数回に分けて実施しました。
結果「知らない」に分類されたのは単語293個+熟語117個=410個。
これを試験までひたすら回し続けて記憶に定着させていきます。
時間の無駄になることはできない
ちなみにアプリ学習の目玉の一つである「4択モード」は使いません。
4択モードで学習しても意味はない、ということはこれまで僕のコーチングを受けて下さった何十名もの方が実証してくれています。そんな無駄なことに時間を使っている余裕はありません。
ただひたすら、自分の脳にノミを使って語彙を一語一語刻み込むように、あるいは漆を塗るように、何度も何度も単語を重ねて塗っていきます。
オトナの、特に40を過ぎてからの単語の習得は「出会った回数」×「インパクト」+テスト効果の総和で決まります。
その「出会った回数」は残りの35日で1日2回学習を実施したとして最低70回確保できます。過去問等で出会うこともあるでしょう。インパクト(印象に残るエピソード)はどれだけ積み重ねられるかわかりませんが、とりあえず「覚えられない単語を使った英作文」をいずれ実施しないといけないかもしれません。
多くの英語学習が見落としている事実の一つに、「知らない単語」にはいろんなグラデーションがある、というものがあります。「みたことがあるけど意味が咄嗟に思い出せない」「自信を持って違う意味を答えてしまった」「みたこともないし聞いたこともない単語である」などなど、一口に「知らない」と言っても、その「知らなさ」は実に多様多彩です。
前者2つのケースは、真摯に何度か復習を繰り返していれば記憶に再定着してくれます。経験的にそう確信しています(そして多くの英語学習者が避けて通る道でもあります)。
問題は「みたこともないし聞いたこともない単語」たち。今回の仕分けで概算ですが100個近くありました。こいつらがおそらく「インパクト」という係数を用いて記憶に定着させる単語ということになるはずです。
400個の単語にいちいちインパクトを探して与えていたら、それだけで時間が過ぎていってしまいます。これもまた「時間の無駄」ですが、多くの英語学習者がこの「無駄」に多大な時間をかけています。
効率よく単語を学習する肝は「知らない単語内のグラデーションに気づくこと」。「できないものに集中的に資源と時間を投下すること」。これにつきます。
次回は2023年第3回の過去問を実施!
さて、この語彙力で果たしてどれくらい過去問を戦えるのか?これが次回のテーマです。
具体的には次のお休みの日に時間のあるときに、可能な限り本番と同じ時間設定で過去問を解いてみたいと思っています。ターゲットは2023年度第3回試験。これは旧形式の=つまり英作文に「要約問題」が追加される前の形式のものです。
現行バージョンは本番直前の予行演習ようにとっておきたいので、まずはここから。時間配分を研究して臨みたいと思っています。
英語学習では「〇〇をしたい」という意志には必ず「ではどのように、どうやって、いつから始めるか」を明確にする必要があります。
できなければ「なぜできなかったのか?」「どうすればできるようになるのか?」を吟味し、その計画を実際の行動に移す。この繰り返しが、英語コーチングという高価なサービスが提供している戦略的な英語学習です(そして僕が常に違和感を感じ続けた英語との向き合い方でもあります)。
それでは、また次回!