プロローグ/VOL.1
2017年12月10日。自宅へ帰る飛行機の機内。初マラソンから12分弱ベストを更新して、3:44:35でゴールした2回目のフルマラソンから6時間。
初マラソン後に感じた達成感やうれしさなんて全然なくて、残ったのは
悔しさのみ。
2週間前から違和感があった右膝は歩くだけで痛かった。最後まで迷ってロキソニンを飲んで挑んだ2回目のフルマラソン。
だけど、サブ3.5を逃した原因はそこではないことは明白だった。
1年間、口では『目標はサブ3.5』と言ってきたけれど、覚悟がなかった。思いのほか初マラソンが上手くいったため、マラソンを甘くみていた。距離を踏めば達成できるだろう、とどこかで思ってた。練習の為の練習になっていた。
このまま、ダラダラ走っていても時間のムダだ。そして、決めたこと。
『1年後、同じレースでサブ3.5を達成してラストランにしよう』
期限を決めて、退路を絶って望む1年。自宅に着くまで、どうやったら14分36秒速く走れるようになるかをずーっと考えた。
876秒。
50m1.03秒ずつ速く走れば達成。
簡単なことではないけど、やり方次第では手が届きそうなタイム。やってやれないことはない。