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ツリーと自立と
クリスマスツリーはリビングで辺りをぺかぺかと照らしている。
このツリーは3年目になるだろうか。
自分の背丈より大きものが欲しくて、背の高いものを奮発して買った。
憧れていたツリーはセット販売ではない商品で、オーナメントは自分で揃える必要があった。
てっぺんの大きな星と、水色の丸い飾りが少しと、あとツリーに巻き付けて飾るライトだけを買って、初めの年は見た目が少し寂しかったが、
毎年オーナメントを少しずつ楽しみができて、これでよかったと思っている。
今年は金と銀の丸いオーナメントを買った。
先にあった水色とはちょっと合っていないようにも見えるが、まぁ大したことではない。
子どもにジンジャーマンやキャンディを飾りたいと言われたから、来年は「丸」でないものを買うことが今から決まり、きちんと手帳にメモしておいた。
——あと4日だね
子どもに言われてがっかりしてしまった。
この慌ただしい中短期間で準備を進めたのだけど、終了までのカウントダウンも同時に始まっていたようだ。
そんな会話は子どもが学校から帰ってきてから。
おやつを食べながら嬉しそうにツリーを眺める姿は、ツリーよりももっと心温めてくれる。
しかし子どもが家にいないと時間の余裕を感じられるのに、子どもが学校から帰ってくると途端に忙しくなって余裕がなくなるのはなぜだろうか。
これは自分のことができていない証拠で、子どものことばかりに一生懸命になっているということ。
もっと自分の人生を生きなくちゃなと常々感じている。
私にとって自分の人生を生きるとはなにか。
それは自分で考えて、自分で決めて、自分の好きなことをすること。
私は高校生になって「考える」ということが必要だと知った。
大学生で自分で「決める」必要を知り、親になって「好きなことをする」自由が許されることを学んだ。
幼少からずっと否定され、決めつけられて育ち、こうした当たり前のことは後から自分で手に入れる必要があった。
だから自分の子どもには同じにならずに、考えて判断して決められて好きな人生を歩む「自立」した人間になってほしい。
ツリーひとつ取ってみても、与えられたものを飾って終わるのではなく、
この先どうしたいのかを考えて実際に見える形で変化させていくことは、少なからずその手助けになると思う。
子どもの未来が輝いて見える。
いいなぁ、羨ましいなぁと、私はいつも目を細める。
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