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落葉

今日はいい天気だったが、少し風が強い日だった。
窓の外の木の動きが、たまに大振りになったかと思うと、外界の音に混じってひゅーひゅーと風の音も混じっている。

枝が揺れる程度の風が吹くと、枝にある赤や黄色の葉が同じようにゆらゆらと揺れる。
幹がしなる程の風が吹くと、何枚もの葉が一直線に落下していく。

地面に立って降ってくる葉を見上げれば、それらははらはらと舞い降りてくるが、上から眺めていると、葉はまず真っ逆さまに落ちていく。
ぼとぼとと葉が落ちていって、我が家の窓からは見えなくなったころ、木自身や、まだ木に残る他の葉が風から遮ってくれていた領域から外へ出たときに、初めて落ち葉は風に乗るのだろう。

木が横に揺れる度に落ちていく葉を見ていても、まだ残っていると安心しつつ、しかし視界が日に日に開けていっていることも実感している。
もうすぐ景色がよく見える季節がやってくる。
5月に一気に芽吹く頃、その成長スピードに毎年驚かされるが、落葉もまた、目に見えて移り変わる季節に心が動かされる。

一日はあっという間。
一週間もすぐに過ぎてしまう。
一月、一年と、時間は止まることなく進んでいく。
私も、季節も、巡っていく。

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大須絵里子
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