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裏目な一日

深夜から早朝にかけて降った大雨で
道は濡れた落ち葉でいっぱいだった。
滑って転ばないように
自転車のスピードを落としつつ
目的地まで急いだ。

自転車を駐輪所に停め
目的地に着くも、
開く時間まであと10分ほどあったため
私は扉の前で待つことにした。

トータル的に評価して、
今日はひどい一日だった。
余裕を持てるようにと
事前に準備しておいたことが
ことごとく裏目に出た日だった。

開く時間になって一番に入り
一番に用を済ませて会計へと進むが、
ここから下り坂が始まったように思う。
会計の仕方が変わって勝手が違い、
事前のPayPayチャージが無駄になってしまった。
必要なだけチャージしておきたい性分のため
どうも落ち着かない。

それから買い物を2件。
万年筆のインクを買い、
子どもの洋服を買った。
急いで自転車を見に行けば、
1時間が過ぎてしまっていて
100円払わないと出られなくなっていた。
今日は現金を使わないからとあえて置いてきた財布。
精算機は現金しか使えない。

仕方がないから自宅までお金を取りに
一度徒歩で戻ろうと思い、
しかしどうも小腹が空いてしまって
途中で行き倒れてはいけないと
カフェで休憩してから帰ることにした。

目当てはカフェラテ。
ついでに軽食も取ろうと
小さなパンを選んでレジに進めば、
こちらの方がお得ですと
勧められるがままに会計を済ませると、
気付けば私は大して食べたくもなかった
カロリーの高そうなパンをかじり、
健康的にルイボスティーを飲んでいた。

自宅までは歩いて15分程度。
気温が上がり、歩いていると汗ばんできた。
暖かい日差しが心地いい。
自宅に着き財布を手にしようとするが、
そこには小銭が全く入っていないことを知っている。
なぜなら出掛けに小銭を整理して
片付けてしまったからだ。
キャッシュレスで現金を使う頻度が減り
ついた習慣だった。
玄関でどうしようかと落ち込む私に、
自宅で仕事をしていた夫が
哀れんで100円を貸してくれた。

では再び出掛けようと
ポケットに100円玉をしまった時、
自転車の鍵がないことに気が付いた。
あぁ、自転車を出そうとした時に
鍵をさしてそのままにしてきてしまった。
100円払えば誰でも持っていけるようにしてしまった。
または近頃頻出しているという
バッテリー泥棒が一仕事終えている頃かもしれない。
これに関しては杞憂に終わったが、
もやもや、もやもやと
気持ちが晴れることはなかった。

その後も生協の宅配と入れ違い、
早く帰宅した子どもと
おやつで揉め、
宿題で揉め、塾の課題で揉めた。

極めつけはキッチンの蛍光灯が突然点かなくなり
暗い中での夕飯の支度をしたことだ。
料理は諦めて
作り置きと冷凍物でやり過ごすことにしたのだが、
レンジは1台のみしかないため
品数が多いと時間がかかって仕方がない。
暗い中、私の無表情な顔が
こうこうとオレンジに照らされる姿は
なかなかの迫力だったと思う。

ルイボスティー飲みながら
何やっているんだろうって自問している時間が
何気に楽しい時間だったかもしれない。
明日はいいことがあるといいな。

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大須絵里子
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