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青いTシャツ

洗濯乾燥まで終わった衣類をたたんでいると、自分の白いTシャツが少し青みがかっていることに気が付いた。
子どものデニム地のズボンを一緒に入れて洗濯したため、色移りしたのだ。

ひひっと笑う。

他にも色が移った衣類がないか探してみると、子どもの白い肌着と、学校用の白いソックスがほんのり青かった。
どれも大々的に表立つことのないものでよかったと安堵する。

色物を洗濯するとき、買ったばかりのときはきちんと別洗いするが、何度も洗ってあるものは特に気にせず一緒に洗ってしまう。
もう大丈夫だろうと放り込んだものの、まだだったというだけだ。

家族はとんだとばっちりだが、新しい色にちょっと喜んでいる自分がいる。
全体的に青くなるのではなくて、襟や、脇や、縫い目といったちょっと生地の厚い部分が青くなっている。
それはまるで絵を描くときの陰影のように見える。
遠目で眺めてみると、蛍光色のようにぼんやりと光っているようで、ちょっと格好いい。

染め物にはまる人の気持ちがほんの少しわかった気がするが、より大きな致命的なミスを犯す前に、色物は分けて洗うことしようと思う。
Yシャツを染めてしまったら今度は叫ぶと思うし。

新しくなった自分のTシャツは、着心地も、自分から見た感じも特に変化はない。
ただちょっと青くなったという事実を私が知っているだけだ。
繰り返し洗濯するうちにやがてまた白くなるのだろう。
誰も気付かぬうちに、色に染まり、色褪せるのだ。
まるで波が満ち引きするように。

そんなひっそりとした青い出来事。

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