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中国の再生可能エネルギーの現状と今後

前回は日本の状況を中心に、再生可能エネルギー(新エネルギー)について紹介しましたが、今回は中国の状況について、最新情報を交えながら、整理したいと思います。

中国でも脱炭素、CO2削減へと動いており、日本の記事でもいくつか紹介されていますが、直近だと以下のようなニュースがありました。

中国が排出量取引所、上海に6月新設 脱炭素へ加速(2021/3/26 日本経済新聞)
環境に配慮した「スマートエネルギータウン」完成 天津市(2021/2/28 AFP BB News)
中国のCO2排出量、2060年までに実質ゼロに 習主席が表明(2020/9/23 BBC NEWS JAPAN)

昨年中ごろまでは、2030年までにCO2を減らしていく努力を、とはしつつも具体的な数値目標の明言は避けていましたが、上にもあるように、国家主席の口から2060年をターゲットとした「CO2排出実質ゼロ」目標が表明され、結果、再生可能エネルギーを主軸とした新エネルギーへの取り組みも改めて活発化してきました。

中国の国家としてのエネルギーに関する施策や戦略は2008年に設立された「国家エネルギー局」という機関が担っていますが、その前身は1982年に設立した国務院エネルギー委員会になります。

その、国家エネルギー局局長の章建華氏を中心に3/30記者会見という形で、再生可能エネルギーの現状や今後について発表があったので、こちらで紹介したいと思います。
※原文の中国語記事はこちら

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まず、冒頭では中国においては「中国再生可能エネルギー法(中国語:可再生能源法)」のもと、その普及を進めてきているが、2020年も開発・利用規模において世界一を維持した、ということが語られました。

そして、中国の再生可能エネルギー発電容量は9.3億キロワットに達し、その内訳としては以下通りであるとのことです。

〇 水力発電 3.7億キロワット(16年連続世界一)
〇 風力発電が2.8億キロワット(11年連続世界一)
〇 太陽光発電は2.5億キロワット(6年連続世界一)
〇 バイオマス発電は2,952万キロワット(3年連続世界一)

中国全体の再生可能エネルギー消費量は2.2兆キロワットに達し、全エネルギーでの利用率は29.5%だったそうです(2012年比9.5ポイント増)。

設備面において強調されていたのが、水力発電に関しては100万キロワット級の発電機の独自での設計開発能力を有していること、洋上風力発電に関しても、10メガワット規模の施設が試験運用開始されたことが語られ、太陽光発電に関しては、太陽電池モジュールの世界トップ10社のうち中国は7社が占めているということが語られました。

コストの面でもキロワットあたり、陸上風力発電で35%、太陽光発電で75%のコスト減少がここ10年で達成されたとのことでした。

また、再生可能エネルギーは貧困地域の発展にも寄与しているとのことで、2012年以来31基の大型水力発電所が建設され、6,478万キロワットの電源が供給され、太陽光発電においても累計2,636万キロワット分の発電所が建設され、6万の貧困地域、415万の貧困世帯に電力を供給してきたとのことです。

今後の目標という点では、2030年までに非化石エネルギーの消費割合を25%ぐらいにし、風力発電と太陽光発電の総設備容量を12億キロワット以上にしていくとのことでした。

直近の中国のエネルギー利用比率をみると、2017年の統計では、石炭など火力発電が6割超と過半数を占めていますが、先のとおり習主席による2060年CO2排出実質ゼロ表明が行われましたし、先日行われた全人代で発表された第14次5カ年計画においても温暖化ガス排出削減目標が盛り込まれましたので、私が専門としているIT業界におけるスマートフォンやキャッシュレス決済などの新技術の浸透スピードを見ていると、再生可能エネルギー(新エネルギー)も一気に導入が進んでいくのではないかと思いました。

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