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SDGs x 新エネルギー

今回は「新エネルギー」について調べた内容を整理してみたいと思います。

より頻繁に使われている「再生可能エネルギー」という表記にせず、「新エネルギー」としている理由については追々ご説明しますが、まずは「再生可能エネルギー」について、経済産業省 エネルギー庁のホームページに記載されている定義を参照してみたいと思います。

「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)においては、「再生可能エネルギー源」について、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されており、政令において、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。」

わかりづらいですが、要は「太陽光発電」、「風力発電」、「バイオマス」、「水力発電」、「地熱発電」、「太陽熱利用」、「雪氷熱利用」、「温度差熱利用」、「地中熱利用」、「その他」などが再生可能エネルギーに該当するようです。

再生可能エネルギーは環境問題やFIT制度などもあり、盛り上がりを見せていましたが、昨年10月26日の菅首相の所信表明演説で以下のように語られ、さらに注目が集まるようになりました。

「我が国は、二〇五〇年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。
  (中略)
 省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します。長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換します。」

これを受けて、環境省では各地方自治体別に「地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況」を公開しています。

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上記リンクのタイトルが「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明自治体が人口1億人を超えました!」となっていますし、上図からも、ほぼほぼ全国の自治体が何らかの表明をしていると言えます。

「2050年の温室効果ガス実質ゼロ」の目標達成には再生可能エネルギーが果たす役割も大きいと思いますが、そもそも現状はどうなっているのかを見てみたいと思います。

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こちらは経済産業省 資源エネルギー庁の調査内容ですが、日本の再生可能エネルギーの電力量割合は16.1%で、2030年にはその割合を22~24%にという目標があるようです。

現時点もアメリカとはあまり変わらないですが、中国に8ポイント差をつけられ、ヨーロッパに関してはフランスを除きほぼダブルスコアという状況です。ただ、私が不思議に思っているのはここではなく、2030年になっても再生可能エネルギーの利用率目標は公式には22~24%「しか」想定してないということです。

確かに、現状再生可能エネルギーには以下のような課題があります。

〇 発電量が天候に左右される(太陽光・風力)
〇 送電の問題(太陽光・風力)
〇 景観が損なわれる(風力)
〇 発電所を建設する地元関係者との軋轢(主に風力や地熱、水力など)
〇 資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理にコストがかかる(バイオマス)

ただ、再生可能エネルギーの発電コストは確実に下がってきていて、2030年にはその1つである太陽光などは化石燃料などと比較してもコストが低くなると予測されていますし、何より「2050年の温室効果ガス実質ゼロ」の目標を持ち出すまでもなく、環境保護の観点でも再生可能エネルギーへのエネルギーシフトは確実に起こり、2030年の利用率は22~24%より大幅に高くなると思っています。

そんな再生可能エネルギーの中でも、私個人としては、「洋上風力エネルギー」と、再生可能エネルギーには含まれないようですが「水素エネルギー」に注目をしています。

「洋上風力エネルギー」は、その建設には専用船(SEP船)が必要だったりとその他含めまだまだコストが莫大なようですが、平地が少ない海洋国である日本では非常に有用なエネルギー源と思いますし、実際に「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」なども整備され、秋田県の能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県の由利本荘市沖(北側・南側)、千葉県の銚子市沖、長崎県の五島市沖が「有望な4区域」に指定されるなど、着々とその準備は進んでいるようです。

注目しているもう1つの「水素エネルギー」は、まだまだコスト高なようですが、経済産業省 資源エネルギー庁環境省が専用ページを設けたり、民間ではトヨタが専用ページを設けたりと力を入れています。

また発電などの用途とは別に、先の再生可能エネルギーの課題として挙げた「送電」に関しても、持ち運びやすい水素は大きな手助けになるのではないかとも期待しています。

いずれにしても水素エネルギーを含む「新エネルギーは」、小泉進次郎環境大臣がかなりカーボンニュートラルに力を入れ、記者会見の質疑応答では2030年の再エネ率を40%を目指すと表明していますし、何よりエネルギー自給率が低い日本にとって、海外依存を脱却する良い機会ですし、今後着実に利用が進んでいくことだけは間違いなさそうです。

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