山東省の再生可能エネルギー戦略 「四減四増」をベースに低炭素化を図る
山東省が新たな「四減四増」の政策を発表しました。
「四減四増」とは、産業・エネルギー・輸送・農業の四分野において、それぞれ以下のことを目標とするものです。
1. 産業 ・・・ 遅れや過剰生産を減らし、新たな成長分野を増やす
2. エネルギー ・・・ 石炭消費を減らし、クリーンエネルギー使用を増やす
3. 輸送 ・・・ 道路輸送を減らし、鉄道輸送を増やす
4. 農業 ・・・ 化学肥料・農薬の使用量を減らし、有機肥料を増やす
この「四減四増」は3か年の行動計画書として、具体的目標や行動案がまとめられるのですが、その最新版となる「山東省の新ラウンド“四減四増”3か年行動案」が発表されました。
その行動案の中で、エネルギーの分野を見てみると、2021年9月末時点で山東省の新エネルギーの設備規模は5,467万キロワットで、前年同期比33.1%増となり、全エネルギー設備規模の割合では32.9%に該当するそうです。
新エネルギー設備量の内訳としては、太陽光が2,868万キロワット、風量区発電が1,840万キロワット、バイオマスが400万キロワットとのことです。
同省の新エネルギーによる発電量は、829億kWhで、前年同期比35.9%増となり、2021年9月末時点で既に前年の通年発電量を上回ったそうです。
太陽光発電は済寧市、泰安市に100万キロワット級の発電設備基地を有していますが、今後、濰坊市、浜州市、東営市に200万キロワット級の風光一体型既知の建設を目指しており、第一陣の建設は既に10月28日から開始されたそうです。
山東省は洋上風力発電にも力を入れており、既に「国家電投山東半島3号」と「華能山東半島4号」は9月から発電を行っていますが、今後も洋上風力の推進に力を入れるとともに、海洋原子力の建設などにも力を入れていくそうです。
また、同省は水素エネルギーにも力を入れており、水素ステーションは既に20基建設され、水村燃料車は700台が普及しているそうですが、今後水素関連産業の規模を260億元(≒ 4,608億円)にすることを目標としています。
山東省は以前お伝えした、中国電力設備トップ10で、太陽光発電は中国全体で首位、風力発電は同5位につけていました。
同省のバイオマス設備量400万キロワットというのは、中国全体でトップだそうですが、洋上風力も加え、同省の今後の新エネルギー、再生可能エネルギーの展開に注目していきたいですね。
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