陰嚢(いんのう)湿疹と戦った男の話【第5話】~悪化~
男性の5人に一人がなるといわれる「いんのう湿疹」。
陰嚢湿疹を患ってしまった私が、男としての困難を乗り越え、無事完治した話を何話かに分けて綴りたいと思います。
陰嚢(いんのう)湿疹に悩む方への参考になれば幸いです。
(「第4話~市販薬~」はこちらを)
すでにお気づきの方もいるでしょう。
市販薬のかゆみ止めは単なるゴマカシです。
いんのう湿疹による、かゆみの原因を根本治療できるものではありません。
それどころか、リドカインで神経が麻痺している時は、かゆみこそ感じないものの、くすぐったいような、どこか遠いところが薄らかゆいような、なんとも言い難い感じになります。
強烈なかゆみはないのですが、ムズムズと、虫が這うような気持ち悪い感覚…。
そして、お風呂に入ったりして、薬の効果が切れた時に、それまでごまかしていたかゆみが爆発します。
陰嚢爆発。
いんのう湿疹に侵された「袋」
ここで、いんのう湿疹が進行してしまった「袋」がどのような状態なのかを説明します。
まず通常の「袋」というのは非常に柔らかいものです。
まさに玉を入れた袋で、振れば揺れるし、ツルツルとソフトな触り心地。
(毛が生えているのでパーフェクトソフトではありませんが)
また、寒さを感じるとギュっとシワを縮めてガードを固めます。
私の通常袋は、とてもふんわりソフティで、適度なしっとり感もあり、
自分でいうのもなんですが、かなり「カワイイ」袋だと思います。
もちろん、他人の袋を触ったこともありませんし、触りたいとも思いません。
なので袋の個体差は、逆に女性の方がよく分かっているのかもしれません。
もしかしたら、私の袋は袋偏差値でいうと、可愛くないレベルなのかもしれませんが、自分ではカワイイと思っていました。
ところが、「いんのう湿疹」により、数カ月に及び、自らの指で刺激を与え続けた結果、、、
私の袋の表面はかなりハードな状態になってしまいました。
まるでヒビ割れた荒野のように深く溝が入り、ガサガサとかさぶたのような質感。
爪で叩くとコツコツと音が鳴りそうなほどのコーティング感。
例えるなら「胡桃(くるみ)」の殻。
このような状態でカユ美が襲ってくるとその固い袋を揉みほぐすように指でつまんではひねり、つまんではひねり…。
これが、めちゃくちゃ痛いのですが、それ以上にめちゃくちゃ気持ちいい!
痛いのに止められません。
カユ美を思いっきり痛めつけます。
そのカユ美をひねり潰していく時の快楽ときたら、ヤバイ脳内麻薬が出まくっているんじゃないかってくらいに恍惚としてしまうのです。
そして止まらない。
かいてもかいても止まらないカユ美。
取り乱した私は、何かに憑りつかれたように一心不乱にカユ美を揉みしだく。
袋は真っ赤っかになり、熱を帯び、痛みでヒリヒリ…。
ハァハァと息を切らせて、なんとか平常心を取り戻します。
ひとしきりその波が消えたら、薬を塗り込みます。
しばらくするとまた表面がガチガチになり、クルミ状態に。
こんな日々が続きました。
(つづく)
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