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野洲のおっさん「子ども塾」レポート「徳育すごろく」やってみた②

野洲のおっさん「子ども塾」レポート

「徳育すごろく」やってみた②

前回「Aくんと私で『徳育すごろく』をやっていたら、2年生二人、5年生二人が加わって定員の6人になり、初めからやり直すことになった」ところからです。

Aくんに私が「みんな初めてやから、神さまポイントの絵本をもう一回読むけどいい?」と訊くと、

Aくんは、気持ち良く「いいよ。」と言ってくれました。

「神さまポイント」はこの「すごろく」の肝です。「神さまポイント」が分かるとポイントを集めようという気になり、ゲームがおもしろくなりますが、これを飛ばして神さまポイントが分からないと、ふつうの「すごろく」になってしまいます。(正直に言うと、普通よりも面白くないすごろくになってしまう可能性が大です。)

「じゃ、始めようか。最初にこの絵本読むしな。」と私。

「えーっ。すぐやろうな。」とジャイアン。

やはり、ジャイアン!

でも、

「いや、この絵本を最初に読むようにと説明書にも書いてるし。」

ここは引けません。

「えー!そんなん、辛気臭いやん。」

「いやいや、これ読まな遊び方も分からんし。」

「そんなん、サイコロころがしたらええやん。」

「いやいや、これにはこれのやり方があるしな。」

「時間もったいないやん。早よやろうな。」

さっき誘った時はグズグズしてたのに、よう言うわと思いながらも、

「このすごろくのやり方でやらんとオモシロないしな。」と私。

とその時、Aくんが、

「やり方ぼく分かる。」

「そや、分からんかったらAくんにきいたらええんや。早よやろ!」とジャイアン。

すると、他の子も

「先生、早よやりたい。」

そして、口々に

「やりたい。やりたい。やりたい。やりたい。」

多勢に無勢これはアカン!

「ほな、一つだけ聞いてや。良いことをしたら神さまから幸せになるポイントが貰えるんや。このすごろくはその幸せポイントが、どんなことをしたら増えて、どんなことをしたら減るか分かるんや。スゴイやろ!」

と精いっぱいの予告をしましたが、子ども達はもう順番を決めるジャンケンに夢中。

うーん、見切り発車!

どうなる子ども塾の初「徳育すごろく」!

サイコロを転がして、出た目の数だけ進むのは、ふつうのすごろくと同じ。

徳育すごろくは、マスの色が緑、赤、黄色と三種類あって、止まったマスの色のカードを一枚取って、読み上げることになっています。

トップバッターはAくん、サイコロは5、止まったマスの色は緑。

緑はチャンスカードなので、一枚めくると、

「だれもみていないところで落ちているゴミをひろった。3ポイント」と書いている。

Aくんは大きな声で読んでくれました。

Aくん神さまポイント3ポイントゲット!

次にジャイアン。サイコロは4、止まったマスの色は黄色。

黄色はチャレンジカード、めくると、

「がんばっていることをあげて、自分をほめる。3ポイント」

ジャイアンは、読み上げて、

「えー、これせなアカンの?」

「したら3ポイントゲットや。しんかったらポイント貰えヘんで。」と私。

「えー、どうしよ。えー、これ言うの?」

「言うたら3ポイントやで。」

「3ポイント貰ったらどうなるの?お菓子?」

「うーん、お菓子はないけど、神さまからポイントもえるで。」

ジャイアンはちょっと考えて、「そしたら、ポイントいらん。」

「えー、ポイントいらんの?」

「いらん。」

神さまポイントいらんと言われたらこのゲーム成り立たへん!

「殴りたない」ではボクシングにならへんし、「王将欲しない」では将棋にならへん。

開始3分にして、危うし「徳育すごろく」!

その後はスムーズに進んで、二巡目、

ジャイアンもチャンスカードで無条件で3ポイントをゲットしニコニコ、

次は2年生のSちゃん

Sちゃんのサイコロは3、止まったマスの色は赤。

赤はピンチカード、Sちゃんが大きい声で読み上げる。

「友だちをなかまはずれにしたりむししたりしてしまった。マイナス5ポイント」

「えっ、どうなるの?」

「マイナスは減ることやから、5ポイント減るんやで。」

「えっ、なんで?」表情がこわばってます。

「わたしなかまはずれにしたことない。むしもしいひん。」

「いや、このカードは、そんなことしたらいかんということやから・・・。」しどろもどろ。

「なんで?5ポイントも減るの?してないのに。」泣きそうです。

「分かった。今日ははじめやから特別にポイント減らさんようにする。」

すると、

「えー!、ルール変えていいんか?」とジャイアン。

お前が言うな!と思いつつ、

「今日は初めてやからな。特別や。」と私。

ヤバい!だいぶグタグタになって来た。

次は、2年生のTちゃん。

止まったマス目は緑、チャンスカード

「命をつないでくれたご先祖様に感謝している。3ポイント」

読み上げたTちゃんがきょとんとしている。

「どういうこと?」

おぉ、これは、大切な話ができる。

チャンス到来と意気込む私。

「命をつなぐって分かる?」

「分からん。」

「そやな・・・。Tちゃん、お父さんお母さんおるやろ?」

「お父さんおらへん。」

えーっ、これは、踏み込んではいけない領域に踏み込んでしまったかも。

「そうなんや。・・・」

「一昨日から。」

「そうか。お仕事で出張か?」ホッとしました。

「おかあさんとケンカして出て行かはった。」

やっぱり踏み込んではいけない領域でした。

ずっとニコニコ話していたTちゃんが、突然、

「すごろく止める。」と言い出しました。

「あっ、そうか。じゃ、観てて。また、やりたくなったら言うてな。」

子ども塾の初めての「徳育すごろく」はこんな感じでした。

子ども塾故か、「徳育すごろく」故か、はたまた私故か、

いろんなことがどんどん起こっていつもの倍くらい疲れました。

まぁ、疲れるということは、ガンバったということだとしておきます。

何せ子どもも私も成長期ですから。

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