野洲のおっさん「子ども塾」レポート 8/8(木)「ジャイアンの父」
今週は、5年生3人、1年生1人の合計4人でした。
夏休みになって来てくれる子どもが激減しました。
春休みも激減したので、やっぱり学校の帰りに寄るというパターンが多かったみたいです。
また、昼間は殺人的に暑いので、そもそも出歩く人が減っているようです。
ムッチャ淋しい!
1人か2人がずっと続いた時は、4人来てくれると、今日はにぎやかと感じ、それなりに忙しかった記憶があるのに、今日の4人はまさに閑散、全く活気がありません。
甘いミカンもケーキの後に食べると甘く感じらませんものね。感覚ってオモシロイです。
いつもの時間になったので「5時になった!すごろくやろ!」と宣言しても、ちょっと顔を上げるだけで、殆ど反応がありません。
一人ずつ「〇〇ちゃん、すごろくやろか?」と呼び掛けても、ちょっと振り返って「いいわ。」と小さい声で返事があるのみ。
うーん盛り上がらない。10人来てた時は活気があったので、誰かが反応してその反応に次の反応と連鎖が起こったもんです。
まぁ仕方ない、こんな日もある、そう思った時エレベーターが二階に到着しました。
誰か子どもが遅れて来てくれたかなと見ていると、40過ぎの男の人が出て来ました。
黒いTシャツ、半ズボン、グレイのキャップ、太い黒縁の眼鏡、今風のちょっとぽっちゃりした方です。
「こんにちは。いつもすみません。」と大きい声で言いながら部屋に入ってきました。
一斉に振り返った子どもの中で、ジャイアンが明らかにヤバいという顔をしました。
「〇〇の父です。いつもお世話になってます。」
ナント!ジャイアンのお父さんでした。
「塾に行かせられないので、ホンマ助かってます。いつも喜んで行かせて貰ってます。」丁寧にお礼を言ってくださいました。
チラッとジャイアンを見て、パソコンの画面がYoutubeのサッカーの動画なのに気付かれて、「なんや、勉強してへんやないか。」
「今はやすみ時間やから。さっきまで勉強してた。」とジャイアン。
うーん、そうやったっけ?
「ホンマにお菓子もこんなにいっぱい用意してもろて。おにぎりも。美味しいですよね。ぼくも時々いただいてます。この間、3個も貰ったと喜んでました。」
「3個?」と少し引っかかったけど、子どももご家族も喜んでくださっているのは間違いなく嬉しいことです。
5分くらい子ども塾への感謝とジャイアンの普段の様子を話してから、「先生の言うことをしっかり聞きや。」とジャイアンに言い残して、お父さんは帰って行かれました。
私がジャイアンに「やさしそうなお父さんやな。」と言うと、ジャイアンはYoutubeから目を離さずに聞こえないふりをしていました。
実は私はジャイアンのお父さんを勝手に「昭和の頑固オヤジ風」と想像していました。
今日子どもが少なかった理由の一つに大津の花火大会が考えられます。
大津の花火大会は規模も大きく、琵琶湖畔というロケーションもあって約30万人が訪れる夏の大イベントです。
子ども塾はちょうどその区域にあり、大人も子どもも浴衣を着た人で商店街がいつになく賑わっています。
花火を見に来る人で毎年大交通渋滞が発生します。私も一度エライ目にあったことがあります。
来てくれた4人の子ども達に、「今日花火やし、遅くなると渋滞で帰れなくなるので、自分の席のあたりを片付けて帰ってや。」と言いました。
いつも「片付けて帰って。」と言ってましたが、机の上のお菓子の包装も床に落ちたお菓子のカケラもなかなか減りませんでした。
ところが、今回は私の言い方に切実さがこもっていたのか、ナント全員が机の上のゴミを捨てて帰ってくれました。そして床にも殆どお菓子のカケラはありませんでした。
「少しずつ、かしこく、つよく、やさしくなる」という子ども塾の理念は、気付かない内に少しずつ浸透して来てるのかもしれないと思いました。