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「コミュニティの時代」をつくるMirrativ、LIPS、CARTUNEの3人にサービス立ち上げのコツを聞いてきたよ

おはようございます。イセオサム(@ossam)です。

昨日は、【エンジニア/PM必見】急成長スタートアップ3社が語るコミュニティサービスづくりのすべて というイベントに行ってきました!Mirrativの赤川さん、CARTUNEのマイケル福山さん、LIPSの深澤さんと、ちょうどコミュニティサービス立ち上げて2-3年くらいで急成長している方々のお話が聞けるということで、すごく楽しみにしていました。

参加申し込みも人気だったようで、当選してラッキー!来れなかった方のためにもイベントレポートを書こうと思います。(トップの画像はLIPSを運営するApp Brewのかなみんさん

赤川さんによる「コミュニティの時代だ!」宣言

コミュニティサービスといえば、ニワトリタマゴ問題がうんぬん、と言って、企画しても会社の稟議が通りません、なんて話をよく聞いていました。しかも、どこでマネタイズするんですか?などと言われると、真っ当なオトナがやる事業としてはもう反論のしようがありません。

でも、どうやら時代の流れが変わってきたようで、Mirrativ赤川さんは「コミュニティの時代だ!」と宣言していました。

この3社合わせても調達額は10億円を超えているようで、ようやくコミュニティというものの価値が受け入れられてきたようにも思います。(そもそもYoutubeやFacebook、TwitterやインスタなどWEBサービスとしての圧倒的ホームランはコミュニティだったりもします)

3人のお話や会場での質問をざーっとメモとったので、シェアします。

僕がこれ今日から使えるぞ!と思ったことには★をつけてます。あと、僕の所感は※で記載してます。

LIPS深澤さん

まずはLIPSの深澤さんから、サービス立ち上げ時に起こった課題と、どう乗り越えていったかのお話。

<データ>
アプリは150万DL
MAU50万人
デイリー1,500投稿

商品軸ではなく、「人」軸でインスタからコミュニティを切り出した。

どんな問題を、どのように解決していったか?

1.初期のコンテンツがない問題

★コンテストを開催してクチコミを投稿してもらった。5,000投稿分のコンテンツを集めたら、オーガニックで投稿してくれるユーザーが出てきた。

2.初期のユーザーがいない問題

ユーザーを獲得しても、7日リテンションが5%と低かったためザルだった。そこで、youtuberマーケティングに140万円突っ込んだら7日リテンション15%のユーザー獲得できて、コミュニティが動いた。

※セオリーだとヤバイコスト投下に見えるが、若いユーザー(多分アットコスメとかとは違う層)がYoutubeに沢山いた。賭けではあるが、ショートカットとも言える。

3.改善するところ見当違い問題

当初、定性的な分析で新機能を加えていたが、イマイチだった。ファネルを見て、多くの人が通過する部分(たとえばオンボーディングや、トップ画面はほぼ全員が使う)から改善すべきだった。そして、マジックモーメントにたどり着かせる手法を探した。例えば、「一度投稿したユーザーは継続率が高い」など。

※ビールを手に取る深澤氏

4.KPIの立て方違ったかも問題

デイリーのリテンションレートが伸びなかった。そこで、DAUを重視する「メディア」じゃなくて、ショッピングよりの使い方をベースとするKPIとしてWAU(WRR)、MAU(MRR)、年間起動日数を追ってみた。

※なんとなくKPIをDAUにおいてしまう人が多いとは思う。ただ、サービスが「毎日見る」ものでなければ、ユーザーの生活ペースに合わせた別の指標があるはず。この設定は数字だけじゃなくて、想像力が大事。

5.ここから目指すもの
「コスメ探し」の第一想起を目指す。コンテンツは50万投稿を超えたので、webのトラフィックを増やす。小売、店舗、ECまわりの新規事業を構築してくいく。

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まとめがボリューミーになってきた。。けど勢いで続けますね。

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CARTUNE福山さん

そして、コミュニティおじさんともいえるCARTUNE福山氏。とある秘密を暴露していたが、ここでは書かないことにします。コミュニティサービスの立ち上げも3つめとなり、若くしてベテラン感があります。ストロングゼロが似合う。

2011 ソーシャルランチ ※ドーナッツに売却
2014 MixChannel   ※ドーナッツで立ち上げ
2017 CARTUNE    ※マイケル社設立

「趣味をもっと楽しむための、仲間、ヒントや知識、賞品情報を提供する」という会社の方向性が素晴らしいなあと思いました。

<データ>

50万DL
MAU30万 ※MAU率高っ!
デイリー7,000投稿

<アプリで実現できること>
★オフ会の支援やカスタムの情報交換、パーツレビュー(パーツのDB)など。

<開発>
4名で運営。Flutterでクロスプラットフォームのアプリ開発してるのが最先端。画像認識の応用でナンバーを消したり、機械学習によるコンテンツ判別で極力効率化。

<これから>
お財布的にも車をもっと楽しめるようにするとのこと。

※どんなかなあ。楽しみ。

★ユーザー獲得では、Twitterの車アカの人に、「ナンバープレート消せますよ」というウリでオファーした。なんとなく「やってください!」と声をかけまくるのはダメ。ラブレターですから。

★リテンションにおけるマジックナンバーを見つける際は、投稿者のリテンションを追う(初期は閲覧者は追わなくてもよい)
7daysで30%こえてきたらいいよね。投稿したらすぐLikeがつくように画面の設計をした。

※会場から「愛車登録機能」が効いているのでは?という指摘もありましたが、最初から「自分のためのサービス」として情報を蓄積できるのはよいですよね。スイッチングコストを上げることにもなるし。

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さて、まだ続きます!けど勢いで最後まで行きましょう!

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Mirrativ赤川さん

僕の中では経営が下手過ぎて潰れそうになった自由が丘のHiphop蕎麦屋、「鴨蕎麦 尖(とつ)」の救世主(ストーリーはこちら)の印象が強いですが、今回は「友達の家でドラクエやってる感じ」が体験できるMirrativのお話。

・アクティブユーザの20%が配信者
・一人100分弱。
・エモモ(だれでもVtuber)提供開始。

とうまくいく香りしかしない。しかし、ここまで来るまでに踏んだ地雷も、そうでない地雷もあるということで、コミュニティ初期のアンチパターンについてのお話です。

<最初にどんなユーザーを入れるか>
初期は、積極的なPRはダメ。ギョーカイ人とか、ターゲットじゃないユーザーが入ってくるとコミュニティにおいてノイズになる。初期に必要なのは「とうとう自分のためのサービスができた!」という熱狂や熱量のある人。そうじゃない人がいると、空気よめないやつとしてコミュニティ内で邪魔になってしまう。

※株主やいろんなところからのプレッシャーでKPIに追われすぎたとしても、小手先のグロースを最初にやるとホントに良いことないです。

<鶏卵問題のユーザーの集め方>

投稿者と、閲覧者をそれぞれ別々に集めるのはNG。「投稿者兼閲覧者」を集めるのがお得。理由はこの2つ。
「見る人がいなくても書きたいから書く」
「見てもらいたいから見に行く」

※この部分はよく議論になるけども、「投稿者を集めよう」としか言っていない場合が多かった気がする。両方取るぞ!となったのはメルカリの垂直立ち上げ以降だろうか。購入者が出品者に転換する率が高いという話だったけども。boketeも例に上げてくれてたけれども、自分がコンテンツをつくるのも好きだし、他人のつくるものを見るも好きだからこそ。

<KPIの立て方>

「1ヶ月で3万WAU到達しよう!」とかはキツい。
★毎週7%成長させる、など、「成長率」を見るべき。100人➝107人➝114人と小さくてもよいからオーガニックで福利で伸ばす。たとえ一度谷が来ても、オーガニックでWAUが5%ずつ週次で伸びればOK。7%でナイス。10%超えるとユニコーン、とPaul Grahamが言ってたと。

あと、ひとりあたり配信時間を追っている。スケールしないことをやろう by Paul Graham (YC大好き赤川さん)

<仲間の集め方>

×:ロジカルに考える
○:シンクロ率が高いメンバーでつくるとむちゃくちゃ楽しい!

<ユーザー増の手法>

ゲーム(荒野行動)とかと組んで、そこからDeeplinkで来てもらう。これは見事なアライアンス戦略。こういうの好き。

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そんなこんなで、ざーっとまとめてみました。懇親会も盛り上がったようで、コミュニティサービスを作りたい、という人だけにとてもあたたかい会でした。(イベント前も、ちゃんとキャンセル待ちの方に連絡したり、前日にリマインドがきたり、勉強会の運営にもしっかりとしたコミュニティづくりのエッセンスが反映されているなあと思いました)

余談:僕らサービスをつくる人たちにも、コミュニティが必要だ。

エンジニアがカンファレンスやオンラインで情報を共有している姿って素晴らしいなあと思っていました。このような会では、プロデューサーやディレクター、マーケターも仲間としてシェアできることがあるはず。僕もサービスづくりや、起業家のコミュニティにすごく助けられています。感謝。

コミュニティにとって大事なのは貢献することで、まずGiveがあることです。そうすると、居場所ができたり、仲間ができて居心地が良くなってきます。

僕自身も、今年は新作、マンガコミュニティアプリの『ヨモ(yomo)』というサービスを立ち上げてるところです。よんだマンガを本棚に登録して、人力、AI合わせてオススメのマンガを提案するサービスです。登録したマンガは新刊の発売日にプッシュでお知らせしてくれたりは便利なのだけど、コミュニティとしてどう進化させていくかの方向性をまさに今考えてます。(まだiOSアプリのみですが、React Nativeで実装してるのでそろそろandroid版も出します)

また、各社、仲間を募集しているようなので、興味を持った方はこちらから連絡してみると良いのではないでしょうか!

※マイケルさんだけ募集が薄いですが、弟子募集中だそうです。

長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました!コミュニティ運営のノウハウに関しては、たとえ真似されても全然別物になるので、もっと共有されるといいなあと思いました!

※記事の修正とか、追記とか、ここ言っちゃダメとか、写真加工して、とかあったらツイッターに連絡くださいm_m (9/4 誤字脱字、一部内容を修正済み)

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