「怪物」レビュー

シングルマザー然とした安藤さんの役に思わず嫌気を感じた。
よくニュースで耳にする、困った子供、の過剰版のような息子。
アル中の父に育てられた、奔放な子供
何かを失うことを恐れた校長と同調圧力の学校とその子供達
そして人の良い教師
どこかで見たようなキャラクターの集まり
だけど、内容がそれぞれの視点からモンスターを見る目で撮られていて、事実を知った時に愕然とした。
さすが、是枝さん、といった感じか。

レビューしたくなったくらいだから、面白かったな。
見る方向で、物事の本質が見えなくなる。
怪物化した視点、それはマスメディアであったり、大衆であったり。ここでは見る人の視点がどこかで怪物化するのを狙っているのか。
それと別に存在する事実が描かれてた時に、あぁだからそうだったのか、と伏線を回収していく。
物語を観て、揺さぶられた感情を収めるのに、最後は答えを与えてくれない。
観た人の中で反省するなり、歓喜するなりすればいい、と言ったある意味、観る人に対する投げかけのような映画だった。
母親の人は、なかなか堪えるんじゃないかなぁ、これは。
まぁ、お母さん達はこう言う映画を見る機会もあんまりないのかな。
個人的には、希薄な世の中を風刺しているようにも感じて、それが、教師のような扱いをされたこともあったから、ムッとしたな。
今、現実にモンスターペアレントとやらは世の中に蔓延っているから、というか、当たり前になっているから、先生達は大変だよな。

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