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【Turnip Boy】ゲーム感想:誇り高き非納税者

クリア!楽しかった!
野菜の村で暮らすカブの男の子が主人公の2Dアクション。
1周クリアに90分程度。


ほのぼの癒し系…と思っていたところゲーム開始10秒で渡される自宅差し押さえ書面。
なるほど、借金返済更生ゲーね…ギフトピアかな…?と合点しかけたところで気づく、「読む」よりでかい「やぶる」の文字

期日超過後に通知を送ってくるあたり相手もアレ

そう、このゲームにおいて入手できる紙はすべて破れる。納税通知も。人相書きも。教科書も。君のラブレターも。
…といった具合のほのぼの偽装・反権力アウトロー主人公によるブラックユーモアたまにSF(すこしふしぎ)な2Dアクションゲームでした。SUKI。

プレイするか迷っている方のためのチェックリスト

【あるもの】

2Dアクション、かわいい世界観、易しめの謎解き、ゲップ音、サブクエスト、収集要素、ブラックジョーク、若干のポストアポカリプス的表現、ごくわずかなホラー表現(もりのようかん的な)

【ないもの】

経験値、所持金の概念、常時「走る」コマンド、持ち歩ける回復アイテム、時間制限のある仕掛け、ステルス、マップ機能、ファストトラベル、難易度設定、ゴア表現

  • 難易度設定はできない。が、戦闘はさほど難しくない。ゲームオーバーからのリトライも早いのでとりあえず特攻かけてごり押しでOK。

    • マップ上のザコは頭数も多くない。経験値や所持金が得られるわけではないので倒さず全よけもOK。

    • ボスはフィールドの仕掛けを使うとまとまったダメージが与えられる。ただし大抵ボスはザコを召喚してくるので仕掛け用にアイテム持ち替え⇒ザコ狩りに武器持ち替え…を要求され手元がちょいちょい忙しい。ボス戦に時間制限はないので持ち替え苦手なら落ち着いてヒットアンドアウェイでちくちく倒すのもありかも。

  • 「ダッシュ」コマンドはあるが実質緊急回避コマンドになっている。マップはそれなりに広め、お使い要素が多い上ときには往復させられるのに常時ダッシュとファストトラベルがないせいで若干テンポが悪い面はある。

  • 敵を倒したり仕掛けを解いたりするとたまに回復アイテムがドロップするが、回復時にかわいくないタイプのゲップ音がする。

    • MOTHER2のゲップーのようなキャラ付けを兼ねた大掛かりなものではない。ないのだが…「食ったら出た」みたいな「ゴォェップ」が見た目かわいいキャラから出るのが割と地味にしんどかった…

    • しかも回復アイテムは1つでハート1回復とか小刻みなので、ライフの削れ具合によっては結構な密度でゲップを聞かされる…イヤホン非推奨

好きポイント:ローカライズの品質

これほんとにインディーズ?と疑うくらいよくできた日本語訳。
セリフだけでなく画像内テキストまで細やかに訳されていて世界観に存分に没入できる。
高圧的なおじさん、仕事に行き詰まるサラリーマン、やばいブツの売人…などキャラ付けに即した翻訳表現もお見事。

イラストに添えられた罵り文句まで完璧に翻訳…

好きポイント:主人公の外道さの塩梅

かわいい顔して毒舌

お着替えアイテム。ダサいと思っていても被ってくれる

かわいい顔してやることはカス

「ww」じゃないのよ

作中はほぼ無言、コミュニケーションは基本的にボディランゲージ

おそらく唯一しゃべるシーンでこれ

その他、枚挙にいとまがない。人助けはするのに道中の細かい挙動には部分減点を入れざるを得ない紙一重の倫理観。キュートな見た目から繰り出される振る舞いの数々にきっと目が離せなくなるはず。
こんなのんびりしたファンシーな村で何をどうしたらコレに育つんだよ…という疑問が主人公の出自という形でシナリオに絡んでくるのもニクい演出…なのか?

シナリオの主軸は明瞭に、お使いゲーらしく一本道だけど筋が通っていてノンストレス。主軸にかかわらない部分は謎を残しつつ、収集要素の書類で何となく察せるレベルの情報の撒き具合がお上手。
ラストバトルもアツくてよかった。みんな主人公と違って真っ当な決意と倫理観をお持ちだった。

ゲームとしてのボリュームは控えめだけど良作。おすすめです。

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