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大地(土)と風の間で 『逃げるは恥だが役に立つ』

『逃げるは恥だが役に立つ(以下、逃げ恥)』のスペシャル放送があった。
(まだスペシャルをご覧になっていない方は、ネタバレを含みますのでご注意ください!!)

『逃げ恥』は大学院修了後、派遣社員として働いていた森山みくりが派遣切りにあったことをきっかけに津崎平匡と契約結婚をし、少しずつほんとうの夫婦となっていく過程を描いたラブコメディである。

この「ほんとうの」というところは、本編をご覧になっていた方からは疑問が上がるところかもしれない。

なにを持って「ほんとうの夫婦」なのかは、『逃げ恥』の中で重要であるからだ。
少なくとも、わたしはそう感じている。

『逃げ恥』の中にはみくり・平匡をはじめとして、様々なカップルが登場する。
異性愛、同性愛、年の差など、ジャンルは幅広い。
カップルに限らず、独身として生きていくこと、シングルマザーとして生きていくことなど「生き方」そのものにスポットを当てているようにも思う。

多くの記事ですでに触れられているように、この物語は「多様性」が大きなテーマになっているのだ。

とても水瓶座っぽいテーマだな、と思った。

水瓶座は多様性、変革、友情などを表す星座だ。
博愛的でとても広やかな眼差しを持っている。

昨年末に起こったグレートコンジャンクションは、この水瓶座の位置で起こった。

グレートコンジャンクション(以下、大会合)とは、木星と土星が20年に一度出会うときを示している。
これまでは土のグループと言われる、牡牛座・乙女座・山羊座の位置でこの大会合は起きてきた。

直近では、2000年頃に牡牛座で大会合は起きている。
1980年代に一度だけ天秤座(風のグループ)で大会合をしたことがあるが、1980年代を別にすると、およそ200年の間はずっと土のグループの星座で大会合は起きてきたのだ。

ゆえに、2020年までを「土の時代」と呼んでいる。

双子座、天秤座、水瓶座は風のグループで、これからおよそ200年の間はこの3星座のどこかで大会合することになるのだ。

「風の時代」のはじまりである。

この土から風の変化は価値観の大転換が起こることが予想されている。
これまでの物質的なものを重要視する価値観(土の時代)が終わりを告げ、目に見えないものを重要視する価値観(風の時代)が広まっていく。

この変化は1980年代で一度、風の星座で大会合していることからわかるように、グラデーション的に変化していくと言われる。
すでにわたしたちは、とっくに変化の真っ只中にいるのだ。

わたしは『逃げ恥』が土の時代と風の時代の狭間を象徴する物語だと感じた。

なぜなら、主人公が現在の結婚をめぐる様々な問題に疑問を抱きながらも、みくりたちはそれを乗り越えながら現行制度上の夫婦に着地したからだ。
最終的には、これまでの「普通」「王道」と言われてきた入籍、出産をしている。

グラデーションの時間が終わって本格的な風の時代へと移行したならば、主人公はおそらくもっと自由な形の選択をしたのではないか。

「土の時代」の価値観での「普通」を、「風の時代」で通そうと思えば、さざ波が立つ。
本編での主人公たちのジレンマが、それを表していたように感じた。
そのことがいい、悪いではなく、わたしたちはきっとこれからますます価値観の大きな変革を迎えていく、ということなのだと思う。

わたしたちは今、大地(土)と風の間を生きているのだ。

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