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身体は使うより使われる
車や自転車の運転をイメージしてみて下さい。
車のハンドル操作は腕だけでしていますか?
自転車のハンドル操作は腕だけで行いますか?
ブレーキを踏むときは足首だけでしますか?
ハンドルをギュッと握り肩に力が入ったりアクセルやブレーキを踏む足も硬直した状態の「力み」からのスタートだったと思います身体の状態をみていると精神状態の一部を伺えます。
これは身体の一部分だけを使って運転している状態でもちろんこの状態で運転し続ければ疲れも倍増し操作性も瞬時の反応も落ちますよね。
サッカーに置き換えてみましょう。
・体力の消耗
・判断力の低下
・想像力の低下
・可動域の低下
・対応力の低下
・怪我のリスク増加
デメリットは多くありますね。
小学生年代というのはこのようなデメリットなどお構い無しに結果も出やすく過ごせてしまうためそこに気付きにくい状態にあります、身体のありとあらゆるを使い回しイケイケドンドンしてきた過程で苦労するのは身体が大きくなりボールが大きくなりピッチサイズも大きくなる中学生、高校生年代なのです。
力みから抜け出すには経験から得る安心感、つまり緊張状態と早いとこ決別しなければなりません、早いとこというのが大切でこれが長く続くと習慣(癖)となり決別はより難しくなるわけです。
良い意味の慣れを習得した選手は力の大きさや力の向き、力を使うタイミングを身体全体を使い無意識にコントロールしているでしょう。
中1イズミくんと中3セイヤくんの写真です。
注目して欲しいのは「腕」です。
腕を使いバランスを取っています。
腕を使いボールをキープしています。
正しくは「腕を使い」ではなく「腕が使われている」状態にあります。
サッカーは足でボールを扱うスポーツですので足を使うのは当然のことなのですが先ほども書いたようにそれは足という身体の一部を使っているに過ぎません、長い時間をかけて身体全体でプレーする習慣を身につけたてきたからこそそのタイミングで腕は使われるようになっています。
彼らは決して大きな身体の選手ではありませんから余計にこのあたりのスキルにおいては上級者でなければなりません。
「ゆっくり」という思いが子どもたちの身体を作っていきます。
「ユックリ.ユックリ.ユックリ」は焦りを生み身体を硬直させます。
「ユ〜ックリ」は落ち着きを生み身体をほぐしてくれます。
車も自転車の運転も必要なタイミングで必要な力や必要な方向へ身体を通して使われているからスムーズなのです。
まずは力を付けるより無意識に力をコントロール出来る状態になると良いですね。