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生き物と私
41歳を迎えた。
まじめに困惑している。
世の中の40代は、こんなにも毎日泣くものだろうかと。
私は、若い時から何も変わっていない。
寂しくても泣き、
悔しくても泣き、
嬉しくても泣いている。
感情に名前をつけるより先に涙が流れている。
自分がどういう感情で泣いているのかもわからない時がある。
だから整理するために言葉を編んでいる。
心の中に感情という、
自分とは別の生き物を飼っているような気がしている。
飼い主の手に負えない、困った生き物だ。
時に大声で吠えて人に飛びつき怪我をさせたり、
すごい勢いで自分の尻尾を追いかけ回し、一人で唸っていたりする。
私はその生き物を前に、無気力で途方に暮れている。
自分の一部なので、
飼育に困って山に捨てたり、
殺処分したりすることはできない。
一生これと付き合っていく運命にある。
そのことに絶望している。
私はその生き物が寝ている時しか、
安心して過ごすことができない。
けれど、いつ起きるかわからないので常に不安を抱えてもいる。
人から見ると、
私がそういう状態の人なのはわからないので、
話してみるまでなかなか理解されないか、
ただの挙動不審な人に見えている。
この歳になるまで飼い慣らせていない自分にも問題があるのだろう。
時々疲れ果て、もういいや全て終わらせようと
生き物と心中する想像をすることがある。
そうなると私は、
死ぬまで自分の人生を主体的に生きられなかった人になる。
そうはなりたくない。
だから40代はもう少しこの生き物の扱いに慣れるため、
自主的にトレーニングをしつつ、人にも理解を促していきたい。
味方が増えればもう少し生きるのが楽になるはずだ。
そんなふうに考えながら、
また朝からダラダラ涙を垂れ流している。