つまらない仕事を充実させる方法3選
日本全国を旅してるまさゆきです。
今回は長年私の中にあった
「どうしてつまらなそうに仕事をしてる人が多いんだろう」
「どうしたら仕事って充実するんだろう」
という疑問への答えを私なりに書いてみました。
結論を先に言っちゃうと『好きなことを仕事にするのはやめとけ。期待しすぎるな』『守るべきものを探せ』です。
同世代の20代や魅力的な40,50代の方とお話ししたり、2024年に読んだ80冊くらいの本を元に考えた完全なる主観的な意見です。
あくまで一つの意見として、誰かの参考になれば幸いです。
仕事を恋人にする路線(好きなことを仕事に)
この路線で仕事をしている人ほど幸運なことはないだろう。
朝から次の朝まで何日連続で徹夜してもめちゃくちゃ楽しい、仕事とプライベートなんて境目はなく、ずっと仕事のことを考えている人だ。
この路線の人は自分の内発性(=ワクワク)から、周りを見ずにその仕事に熱中している。
「外資コンサルに入ったら将来潰しが効くし、周りからすごいって言われるし、年収もそこそこ高いから外コン一択!」って自発性人間からは一番遠い世界だ。
内発性ベースで仕事をしている人は、周りからどう見られるかは一切気にしていない。お金を稼げるかも気にしていない。ただその仕事が楽しいからやっている。
そして仕事をする目的すらもない。「40歳までにNISAで2000万貯めてFIREするために仕事を頑張るぞ!」などは論外だ。
もちろん対外用に夢や目標を語る人もいるが、根本はその仕事が楽しくて毎秒充実しているから、熱中できている。
逆にポジション取り人間に対して「そんなお金や地位や名誉のために仕事をして何が楽しいの?」と本気で思っている。
ポジション取りのためだけに仕事をしても心からの喜びは得られないだろう。
確かに出世競争に勝ち抜いた一握りの人はお金と承認欲が満たされるだろうが、自分のやりたいことをやっていないだけに虚しいだけだ。
よくサラリーマンの友達から聞く、「この終わりない出世競争はいつまで続くんだ。特にやりたくもないのに新規プロジェクトに手を挙げて、会議のファシリテーターを任され、夜は人脈のために飲み会に行ってるけど、虚しいしストレスが半端ない」という声はそういうことなのだと思う。
「だったらワクワクする仕事をして仕事を恋人にしよう!そのために自己分析をしてやりたいことを探すぞ!」と意気込むかもしれないが、その路線は原則目指さない方がいい。
自己理解で有名な八木さんの「得意なこと×好きなこと×大事なこと=本当にやりたいこと」という自己理解の公式は、自分のことを分解して整理できるすごい公式だと思う。
私も整理するときはこの公式を使わせていただいてます。
だが「これが私の天職です!」という仕事は見つけようと思って見つかるものではない。
恋愛と一緒で論理的に条件を考えて探しに行っても、本当の恋は見つからないと思う。
私の好みは「年収500万以上で、醤油顔よりは塩顔で、どんなボケにも突っ込んでくれる人で、私が知らない世界を知っている人」と言語化するのは結構だが、本当の恋は見つかるのだろうか。
「条件に全て当てはまるけど、なんかピンとこない、波長が合わないんだよな」って人を好きになるのだろうか。
〇〇という条件に当てはまるからをその人を好きになる人は、その人自体を好きになっていない。〇〇という条件がなくなったらその人への好意も無くなるだろうからだ。金の切れ目が縁の切れ目。
天職はたまたま降ってくるもの、能動でも受動でもない中動的なものなんだと思う。
「この仕事が自分の天職っぽいから自分から積極的にやりにいく」わけでも、「上司にこの仕事をやれって言われたから仕方なくやっている」わけでもなく、「気づいたら夢中になっていたこと」が天職なんだろう。
だから探しに行っても見つからないし、待っていても見つからない。
つまり天職は100人中97人の人には見つからないものなんだと思う。
あなたの周りを見渡して、本当に内発性からワクワクして毎日仕事をしている人は片手で数えるほどしかいないのではないだろうか。
ここで資本主義的な競争第一思想に浸っている人は「だったら私もその3人に入りたい!そのために何をすればいいの?」と思うだろう。
その発想が一番天職から遠ざかっている。
自分のワクワクしていることをやっていたら、たまたまやっていた仕事が天職であり、誰かと競争したり褒められるために仕事をしている限り恐らく降ってこないからだ。
天職は見つかったら幸運だったね、くらい気長にいるのがいいと思う。
このすごい人に近づきたいから仕事をする路線
この路線も仕事を恋人に路線と同じく希少だ。
仕事内容にワクワクしているというより、人にワクワクしている。
言い換えると自分がすごいと思う人に感染(感情的模倣、ミメーシス)している。
すごいと思う人と仕事をすること、あるいは仕事を通してその人に近づけることに喜びを感じる。
仕事を恋人路線と同じく内発性で動いているのは一緒だが、対象は人だ。
「それって外発的じゃないの?」と思うかもしれないが、「この人みたくなりたい!」と心から思っていれば内発性だ。
例えば私は2024年に宮台真司さんという社会学者に感染してしまい、この方の本を20冊くらい、関連する本は40冊くらいは読んだと思う。内容は難しい抽象的な話が多く、感染していなければ絶対に読むのを諦めていたが、その時は力が湧き出る感じで難なく読めた。
感染の話を仕事の話に落とし込むとすると、「この上司みたくなりたいから、上司が関わる仕事に積極的に参加するし、飲み会にも喜んで行く」という感じだろうか。
そして感染される側の人間は、仕事を恋人にしている路線の人がほとんどだろう。
仕事でなくても何か熱中していることがあって、毎日を楽しく生きている人だ。
「うまく行くかわからないし一生貧乏かもしれないけど、これがやりたいからやるんじゃ!」と突き進んでる人は魅力的だろう。
「外資コンサルに入ったら将来潰しが効くし、周りからすごいって言われるし、年収もそこそこ高いから外コン一択!」って自発性人間が人を感染させることはほぼない。
また「自分のやりたいことをやった方がいいなら人から影響を受けるのではなく、自己分析をした方がいいのでは?」という疑問には『守破離』という考え方が答えになるだろう。
すごい人に感染しとにかく吸収して土台を作り(守)、その土台から自分のやりたいことを見つけ(破)、独立して進んでいくのが(離)、やりたいことを見つけるプロセスではないだろうか。
無からは何も生まれない。
ただ、この路線もかなり希少だ。
なにせ感染させる側の人が本当に少ないからだ。
守りたいもののために仕事をする路線
となると現実的で、みんなが仕事を通じて幸せになれるのはこの路線だと思う。
端的に言うと『大事な何かのために仕事をする』と言うことだ。
ここでの何かは人でも場所でも趣味でもなんでもいい。多くの場合人が関係している気もするが。
一番イメージしやすい例は子育てだろう。
子育てをするパパやママはとても強いと思う。
会社員の時の上司で2歳くらいの双子を育てている上司の方がいたが、仕事に対する責任感もスピードも段違いにすごかったのが印象に残っている。
「早く終わらせないと子供を幼稚園に迎えに行けないからね!」って言っていた表情はキラキラしていたと言うよりは、引き締まっていた。
仕事がつまらない理由に「なんのために仕事をしているか分からない」があると思うが、明確な人物を思い浮かながら「家族を守るために仕事をしている!」と言い切れるのは強度が違うだろう。
「なんのために仕事してるかわからない」とかぼやぼやしたことを言ってられない。
別に家庭を持たなくても、友達や親のために働いたり、地域のために働くのでもいい。
「自分が生まれ育った田舎の村の過疎化が酷くて、なんとかしたいから今の仕事をしている」と語っていた20代の方も力強かった。
またアイドルオタクの人が土日にオタ活をするために、安定した給料と休みのために公務員の仕事をしているのもいい感じだと思う。
思えば守りたいものがある人は、『バトルフィールド』と『ホームベース』の区別がついているということだろう。
バトルフィールドではホームベースで待つ仲間のために死に物狂いで戦い、成果(お金)をボームベースに持って帰ってくる。
ホームベースでは仲間が傷ついた心身を癒してくれ回復し、再びバトルフィールドに出撃することができる。
これがホームベースがなくバトルフィールドのみ人は、回復する場所がない。
常時傷ついた状態で、弱い部分が剥き出しの個人になってしまう。
巷でZ世代は打たれ弱いと言われているが、ホームベースがない人が増えていることもあるだろう。「うちはアットホームで社員仲良いです」と言うベンチャー企業はこの構図がわかっているから、会社にホームベース機能を持たせようとしているのだと思う。
またSNSで誹謗中傷している方々もホームベースで承認されることがないから、誰かを攻撃して承認された気になっているのだろう。
つまり、この路線で仕事を充実させるには、大事な存在がいることが前提になる。
ただ超重要なことだが、大事な存在はそんな簡単にできないし、作ろうと思って作るものではない。
今風に言うと友達関係や恋愛関係をコスパタイパで考えている人は無理だ。
やりたくない仕事を無理に頑張るよりも、やりたくない仕事から無理に興味を探そうとするよりも、早めに切り上げて友達や恋人、家族に会いに行く方がよっぽど仕事のつまらなさが無くなると思う。
毎日17時くらいに仕事を切り上げて、仲間とお酒を飲みながらバカ話をして盛り上がれば、それで楽しいのではないだろうか。
そのため時間のために「外資コンサルで最短で効率よくお金を稼ぐ」のは大いにありだと思う。
最後に
いかがでしたでしょうか!
仕事に自己実現ややりがいを求めるのは一旦諦めた方がいいのではと現時点では思ってます。多くの人にとって仕事を恋人にするのは難しいでしょう。
私はこれまで「仕事を恋人にする路線」で、自分に合う仕事がどこかにあるんじゃないかと探してました。学生時代はアルバイトを5個くらいやったし、インターンも4社やりました。新卒で入った会社も辞め、フリーランスとして今は活動してます。
ですが「これだ!」と思う天職は見つからないし、かといってこれ以上違う仕事を探しても見つからないだろうなと感じてました。
そこで、いろんな方に話を聞いたり本を読んだりするうちに、実体験も相まって仕事に対する過度な期待をしなくなってきました。そもそもの戦い方が間違っていたんだなと気づきました。
そしたら仕事の充実度も変わっていくという不思議な現象が起きたのです。
まずは「守りたいもののために仕事をする路線」で人とのつながりを大事にしつつ、一つの分野で仕事をしていきつつも、ふらふら色んなことをしたいと思います。
そして運よく「仕事を恋人にする路線」「このすごい人に近づきたいから仕事をする路線」に確変する日を待っています。
夢中になって何かをするのは最高に楽しいですからね!
最後に、今回の記事の内容は私自身が体験したことがなく仮説で書いているところも多々あるので、言葉が浮ついているむず痒さがあります。
その部分はまた数年後に書き直したいと思います。
ご意見やご指摘お待ちしてます!
最後の最後に「守りたいもののために仕事をする路線」は多くの人にとって現実的な路線かと思いきや、実はけっこう難しいのではとも思っています。
大事な仲間が思い浮かぶ人は今は少ないんじゃないかと思います。
「こいつが困ってたら深夜でもタクシー飛ばして会いにいって話を聞きにいくぜ!」って人です。
恐らく2、3人思い浮かんだだけでも、かなりマシだと予想します。
なぜなら日本は諸外国と比べても、あらゆる共同体が解体されているからです。
地域、家族、友達、会社コミュニティが空洞化して、腹の中を見せ合った親友や恋人、家族がいる割合が少ないでしょう。
例えば友達や恋人と本音で、時に感情をぶつけながら話し合った、喧嘩したことがない人が多いと思います。
ChatGPTに「日本の自殺率、幸福度ランキング、孤独を感じる人の割合、のデータをG7のデータと比較して持ってきて」と打ち込んだ結果のまとめ部分です。
ChatGPTに聞いただけなので統計的と言えるか分からないが、日本社会はまずいことになっているのは確かでしょう。詳細なデータはご自身で調べてください。
ただこの流れは日本全体では止まらないと思います。
これからも大多数の人々は資本主義の中で競争に勝つこと、ポジションを取ることに突き進み、成功しても失敗しても孤独に打ちひしがれるのだと思います。
私たちにできることは身の回りの仲間を大事にすることなのでしょう。
参考書籍