見出し画像

さや

自分で言うのもなんだが、
僕の思考傾向はあまり褒められたものではない。

今はもう、ある程度の人生を経て、
自制心やTPOというものを理解できるようになったが、
そうは言っても、一般のそれと比較すると、五十歩百歩だと言われそうだ。

こういった、公の目に触れるところには、
さすがに書けないようなことも幾らかある。

何かしら、ことを起こしてしまう時には、
必ずと言っていいほどに、どうしようもないような衝動に駆られてしまい、
自制の効かない、壊れた乗り物のように突き進む。
最も、ギリギリのところでは自制が効いているために、
本当の意味で大事には至っていないのだが。。

そんな、抜身の刀のような僕を、
君の存在が、まるで刀の鞘のようにすっぽりと包み込んでくれる。
当たり前のことだが、僕と君は、生まれた年も、街も、家族構成も全く異なり、
他人から見れば出会うはずもないようなもの同士が、偶然にも出会ったわけだが、これがどういう訳か、あらゆる要素がぴったりとハマってしまった。


あわせて作られた刀と鞘のように。


僕は、君の中に存在している限りは、この刀を抜くことはないだろう。

だから君よ、僕のそばから消えてくれるな。

せめて、鞘を捨ててでも打って出なければならない、その時まで。


いいなと思ったら応援しよう!

押六ダンパ
私の為に注いでくださった想いは、より良い創作活動への源泉とさせていただきます。こうご期待!!