京都に世界中から6,279人が集合したインターネット・ガバナンス・フォーラムって!?(Part 1 概要編)
秋を感じられるようになった10月、筆者吉田美樹を含めたオシンテックのメンバー6名は、インターネット・ガバナンス・フォーラム(以降IGFと表記)とやらに参加するため、京都の山の麓にある国際会館へ向かいました。
IGF、HPには「インターネットに関する公共政策の問題について、さまざまな利害関係者が対等な立場で議論する場」と書いてありますが、一体どのような場だったのか。その色々な面から、Part 1と2そして番外編と、3つの記事に渡って見ていきたいと思います!
Part 1 目次
IGFの歴史を紐解きましょう
IGF2023会場の様子は
国連の会議に子供が参加!?
1.IGFの歴史を紐解きましょう
まずは歴史を紐解いてみましょう。遡ること1998年。国連のICT専門機関である国際電気通信連合(ITU)の全権委員会議で、チュニジア政府が、情報社会の世界サミットの必要性を訴えます。それが国連総会で承認されたのが2001年。2003年には第1回World Summit on the Information Society (WSIS(ウイシスと発音))がジュネーブで開催され、Geneva Plan of Actionが採択されます。2005年には第2回WSISがチュニスで開催され、Tunis Agendaを採択。その中で提言されたIGF発足を、2006年国連事務総長が宣言し、その年以降毎年IGFが開催されるようになりました。
なお来年2024年には国連未来サミットでGlobal Digital Compactが合意を得、その中で「万人にとって自由で開かれた安全なデジタルの未来を確立するための共通原理」が示される予定です。
2.IGF2023会場の様子は
さて今年のIGF、実際の会場の様子はと言いますと。まず待ち受けているのは、まるで空港に来たかのようなX線検査装置や金属探知機と、海外からいらしている警備員たちの存在が醸し出す圧力。日本の警備の方にも英語で話しかけられながらそこを抜け、企業の展示ブースに入ります。有名企業が並ぶ中私たちの目をひいたのは、インドから来ているNGO「Software Freedom Law Center」。弁護士・政策アナリスト・学生・技術者が手を組み、デジタル世界における自由を確保するために活動している団体でした。
それらのブースコーナー、そして迷路のような通路(国際会館、素晴らしいオリジナリティ溢れる建築なのですが、正に迷宮)の後に広がっていたのは…まるで本当に飛行機に乗って日本を飛び出してしまったかのような光景と、多様なアクセントが感じられる英語のサウンド!
普段遠隔でやりとりをしている国連職員仲間、NGO仲間、登壇者同士などが、コーヒーを片手に熱心に、でも和やかに議論をしています。
そしていざ肝心の会議会場へ!IGFでは5日間に渡り、様々なハイレベル会合、メイン会合、ワークショップ、ネットワーキングセッションなどが開かれます。これらは、事前に皆の提案により決定した8つのテーマに沿ったもので、参加者が応募し開催するものも含まれています。
まず大会議場に入ってみましょう。入口で同時通訳用イヤホンを手にし中に入ると、劇場のような空間が広がっており、遠くの壇上でパネリストたちが話をしているのが見えます。写真はオープニングセレモニーの様子です。
私たちがIGFに来た主な目的は、社会課題に取り組む世界中の人々とネットワークを作ることでしたので、登壇者と参加者間での対話が難しいこの会場は早々に後にし、小会議場で行われているワークショップを目指します。
ワークショップでは多くの場合、まずスピーカーたちが現況やそれぞれの所属先の活動を発表していました。前面には大きなスクリーンがあり、遠隔発表者やオンライン参加者のため会場の様子、加えて話している内容が文字で表示されます。
この文字起こし、自動機能を使っているのかなと思っていましたが、人の名前のスペルは合っているし、言葉がミス打ちされると消えて書き換えられる…ということは人間の技!?
皆不思議に感じていたようで、後日仲間とも話題になりました。
スピーカーたちの発表の後は、質疑応答やディスカッションがなされます。ネットワーキングセッションとなるとこのディスカッションがメインで、会場に集まった人たちはそれぞれマイクを持って自己紹介をしたり、誰かの問いに対して参加者が発言をしたりしていました。私たちも参加です(写真にある画面の中)!
3.国連の会議に子供が参加!?
さて会場、広い廊下や休憩スペースには沢山のソファーが置かれているのですが、そこで目にするのは少なくない子どもたち。実はIGFは最初の参加登録段階から「保育ルームは使用しますか」との質問がある位、子どもや子育て中の大人を阻害していないのです。
ジェンダーバランスも非常に大切にしていて、パネリストには必ず女性が入っていないといけないとか。いくつかのセッションでファシリテーターを務めていた、国際電気通信連合のインド出身女性も、現在の居住地スイスから8歳のお子さんを連れてきていて、会議場でよく見かけました。
という訳で筆者の8歳の娘も。娘は英語はほぼ分かりませんから(大会議場以外は同時通訳もありません)内容は全く…ですが、女性が対等に活躍している様子、外見は様々な人たちが一同に会している様子を肌で感じられたことは、きっと彼女の中の小さな種になったのではと思っています。
以上、IGFの会場の様子でした!皆様も何となく雰囲気がお分かりになったところで、次の記事「京都に世界中から6,279人が集合したインターネット・ガバナンス・フォーラムって!?(Part 2 内容編)」で、このフォーラムで話された内容や、私たちが感じたことなどを是非一緒に見ていきましょう。
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