試験官

ちょっと遡ってこの試験官との話。

定期的に試験が行われている。
大嫌いだがフィードバックを頂ける機会は有難いと思っていた。

1回目 ボロクソ
2回目 ボロクソ
3回目 賞賛

ボロクソに言われるのを分かっていたし泣かせるのが好きなのも理解していたから絶対泣かなかった。
しかし3回目、不意の賞賛により泣いてしまった。
「努力した。頑張った。変わった」
一緒に受けていた、ボロクソに言われて泣いていた新人に
「なるみの涙は努力したから出るもの。お前の涙は認めない」と言っていた。
認めて貰う必要はないと思うが。
その後の試験は私はずっと褒められるのだが店舗で会うと基本的に不機嫌で八つ当たりをされるのでこの試験官の事は最後まで嫌いだった。
意見を求めては来ず、悦に入る為に喋り倒すので聞き流していれば良いから対応は楽ではあった。

上の意見が絶対の風通しの悪いブラック企業。
希望休なんてある方がおかしい。
休みの日を与えているのだからその日に予定を入れるべき。
親で3日、兄弟だったら1日で充分と忌引きも認められていなかった。

私の退社後この試験官は父親が亡くなり、存命の親に全てを任せられないと遺品整理含め2ヶ月の休みを取るのである。
上の意見が絶対。
決まりは下の者の為にあるもの。
そんな社風だったから理解は出来る。
だが理解が出来ない。

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