ホワイト企業ブラック人事
その百貨店で成績トップも取ったし飽きてしまいもう一つ上のステップに上ろうとチャレンジしたのが某高級ジュエリーブランドだ。
入社後ネイルからメイクから出勤時の服装から色々規約があり流石格が違うんだなと思ったのを覚えている。
同時に来る場所を間違えたなとも思ったものだ。
この会社がブラック企業の面接時に聞かれた「この会社は何の会社?」と聞かれた東証一部上場企業である。
女性であれば知っていそうなものである。
アパレルでの環境にいた私からすると女性だらけの世界より男性と女性が混在している世界の方が陰湿である事を知る。
最初のスタッフは皆仲が良かった。
一番子供で一番知識がない私の面倒を見てくれていた。
しかしいつまでもその環境が変わらないなんて事はなく、大型人事異動が始まる。
トップが若い男に代わり、和気藹々を許さない雰囲気になったのだ。
皆で失敗を指摘し合い、慰め合い、の環境が常に叱責の環境に変わったのである。
耐えられなくなったスタッフ達が一人、また一人と辞めていく。
20歳年上の方までもが飛ぶ様な形でいなくなった。
そして私は最後の生き残りになった。
皆が可愛がってくれたし私は最後まで見送ろうと思っていたがこれで思い残す事はない。
あとは辞めるきっかけと口実である。
この頃には補填されたスタッフもいて、その人からも当たられる様になっていた。
20歳以上年上のおばちゃんだ。
多分私を辞めさせたかったんだろうと思うが今迄許されていたレベルのネイルすら許されなくなり明日から外して来いと言われた。
それはサロンを予約しないと無理だし今日出勤してるのに明日までに外すのは不可能だと反論した。
私は社会不適合者だから。
そうしたら
「そのネイルを外すまで出勤しなくていい」
と渡りに船な事を言われ、当時既に夜のお店で働いていた私はその日からガンガン夜働く様になる。
そうして何やかんやで辞めた。
詳しくは思い出せない。
もう出勤はしていなかったが退職の手続きに会社へ行って数日後に東日本大震災である。
店舗は数日間休業したと思うし、あんな時期にジュエリーを買いに来る様な人はそう多くないだろう事を考えるととてもラッキーだった。