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【元カノに軟禁された話②】
前回から2年経っちゃいました。
そんなことってあるんだ。ごめーんね。
こちらを読んでからの方が面白いカモ...!?
2018年秋深夜
僕は女の家で"宝石の国"の3巻を読んでいた。
内容は覚えてない。空っぽ。
「女の子の家にいる」ということで頭がいっぱいっぱいだったから........
いつまでもチェリー。わたしさくらんぼ。
本の匂いにも飽きた頃、女が大乱(大乱闘スマッシュブラザーズ)をしましょうと誘ってきたのでのることにした。
ここで断ることもできたけれども、断ったら2度と会えなくなるかなと思ったから。
ルールは制限時間なし。ストックは3つ。
タコの心臓と同じ数。
女はプリンを選んだ。
舐められたものだね、持ちキャラのネスで
3タテ(パーフェクトゲームのこと)してあげますよ。。。
とは言いつつもここでボコスカにしてしまったら今後の関係にヒビが入るかも知れない。
この人と日々を過ごしていきたいのに、それはいけない。
手加減してあげますかと思ったものの
あら、あら、あらら。
死ぬほど強いんでやんの。ウケる。
女は引きこもって大乱(スマブラ)を極めていたのだった。僕のネスが目も当てれないほど蹂躙されている。
プリンの上スマ"ねむる"でネスが画面外に気持ちよく弾き出された。
ゲームセット。瞬間
「私たち、付き合おうよ」
女の子がそんな提案をした。
何と答えたかは覚えてないけれど賛成したのは覚えている。
特にこれといった変わった言葉を使ったわけじゃない、本当にありきたりで普通なこと。
こうして僕は冬超えをした。長くて寒い冬だった。
画面では負けた僕のネスも拍手をしてくれている。
最初に祝ってくれるのがネスなことあるんだ。
「やった〜!!嬉しい!!!ほんとに!?ありがとう!!」
あの子が狭い部屋の中でくるくると踊ってる。
乱舞の末、バランスを崩し僕に倒れ込んだ。
あの子はきっと酒臭かった。
昨日も安いくて汚いくて臭い居酒屋で目を回してたんだろう。
猫が毛玉を吐くようにボエっと一口サイズの吐瀉を僕の膝に落としたけどもう全然問題ない。
吐瀉物にまみれて泣き笑いをしながら謝ってるあの子はとても綺麗だった。
これから汚いものも綺麗なものも分け合っていけるはず
初めて2人でやったことが吐瀉物の処理という、物語みたいな夜。
片付けがひとしきり終わって炊事場で手を洗い部屋へ戻ると、
あの子はTwitterで"猿が絶景で交尾をしている動画"をみて大爆笑していた。
もう僕はこの人と生きるしかないと。
「ねえ、もっかいしよ!」
その日は夜通しでゲームをした。
僕は高鳴る胸のせいか一度も勝てなかった。
あの子はゲームが上手だった
とてもとても上手だった。
続く