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不動産teck Product Night #1 登壇記事の紹介

近年、にわかに盛り上がりを見せている不動産テックのドメインで活躍するエンジニア・クリエイターの勉強会「不動産teck Product Night #1」に登壇いたしましたので、登壇資料とAI書き起こしをご紹介します。

また不動産teck Product Nightは「業界課題を解くためのAI活用とは?」をテーマに早くも第二回イベントを予定しております。
この記事でご興味を持っていただいた方は。ぜひご参加いただけると嬉しいです!

不動産teck Product Night #2
開催:2024/09/10(火)19:00 〜


以下登壇資料です

登壇資料はこちらからご覧いただけます。
https://speakerdeck.com/tsuyoshika/2024bu-dong-chan-tetukuhurotakutonaito



登壇音声の書き起こし

登壇音声の書き起こしとスライドを一部抜粋してご紹介いたします。



こんにちは、GOGEN株式会社の金子です。今日は「不動産ドメインにおけるスタートアップの価値競争戦略」についてお話しさせていただきます。

自己紹介

まず簡単に自己紹介をさせていただきます。私はヤフー出身で、その後サイバーエージェントや弁護士ドットコムでデザイン組織の立ち上げなどを行い、その後はさまざまなスタートアップでデザイン顧問をやってきました。現在は、GOGENという不動産テックの会社にUXデザイナーとして参画し、今はCXOをやらせていただいています。

GOGENについて

GOGENは「語源になる」というビジョンで立ち上がった会社です。言葉の源、辞書に載るようなサービスを作っていこうということで続けられています。Googleが「ググる」みたいになったような、そんなサービスを作れたら素敵だなと思ってやっています。

私たちのミッションは、「新しいやり方で、人々により良い不動産を」提供することです。不動産というと敬遠されがちで、ちょっと遠いかなと感じてしまう人も多いんじゃないかと思うんですが、実は衣食住の中で一番ライフスタイルに近い分野なんです。
ここを広げていくことは、スタートアップとしても社会課題としてもめちゃくちゃ価値があるんじゃないかと思って進めています。

レリーズプラットフォームについて


私たちが今作っているプロダクトは、レリーズプラットフォームというものです。一言で言うと、情報と体験をひとつの形にするプラットフォームです。

不動産の売買って皆さんご存知ですか?めちゃくちゃ大変なんです。
例えば、家を買うときに何回名前を書くと思いますか?うちのCTOが数えたんですが、なんと20回以上も書くんです。
同じデータを、同じプロパティを何回も入力しなければいけない。それも色々な業者に提出しなきゃいけない。これって本当に大変なんです。

今の不動産売買のプロセスを見てみると、契約、ローン、保険契約、引き渡し、引っ越し、売却など、さまざまなプロセスがバラバラになっています。例えば保険だったら保険会社、ローンだったら銀行、契約だったら買主さん、売主さん、仲介会社が3社集まってやるというように、全部が別のステークホルダーとバラバラな業務フローによって支えられているんです。

これを統一された滑らかな体系にしていくのが私たちのやりたいことです。それぞれのプロセスが私たちのプラットフォームの中で同じような体験、同じようなUI、同じようなデータの中で行われていく。一度名前を入力したら、もう二度と名前を書かなくていい。そんなプラットフォームを作りたいと思っています。

不動産業界の課題

不動産業界ってめちゃくちゃでかいんです。
自動車、建築に次ぐ3番目の市場規模があります。医療と比較するような市場規模を持っているんです。
私はこれまでECやエンタメ、ゲームなどの分野にいましたが、全体のお金の動きで見るとそれよりもすごく大きい業界なんです。

ただ、そんな大きい業界なのに、いろいろな側面で遅れているんです。デジタル化の遅れ、人材確保・育成の難しさ、市場環境の変化への対応の遅れなど、課題がたくさんあります。

例えば、決済のときって札束を持って銀行にいくんですよ。これって銀行振込じゃないの?って思ったりします。
また、水道トラブルが起きたときなど、普通にどうしていいかわからないんです。ポストに入っている雑なマグネット業者に電話して来てもらうみたいな、そんなことがまだまだ多いんです。

共通価値の創造

これらの課題に対して、私が今日メインメッセージとしてお伝えしたいのが「共通の価値の創造」です。業界とともに成長するスタートアップというのがこれから活躍していくんじゃないかと思っています。

これは、ハーバードビジネススクールのマイケル・ポーター教授らが提唱している考え方なんですが、企業の成長と社会の課題解決をイコールで考えようというものです。
これまで企業の成長と社会課題の解決はトレードオフの関係にありました。でも、これからは社会課題を解決することが企業の利益に直結するようなビジネスモデルが出てくるんじゃないかと。

簡単に言うと、今までのプロダクトは「こういう機能があります」「こういう品質です」「こういう価格で提供します」という機能レイヤーの戦いが主でした。
でも、これからは社会課題と同時に解決する。プロダクト戦略プラス、どういう社会課題を解決するのか、新しい社会のルールをどう作っていくのかを考えていく。
そんな新しい価値パターンが求められているんです。

業界を変えるようなバーティカルアプローチ

私たちが提案しているのは、バーティカルなアプローチです。これまでのホリゾンタルなアプローチ、例えば契約ならクラウドサインとか、そういった一つの業務に特化したサービスとは違います。

不動産業界の社会課題を解決するには、お客様のカスタマージャーニー、バリューチェーン全体を置き換えていくようなプロダクトが必要なんです。部分的な効率化ではなく、業界の全体像を変える。業界のバリューチェーンそのものから作り変えるようなプロダクトを目指しています。

スタートアップに求められる要素

この共通価値の創造に必要なものとして、私たちは3つの要素を定義しています。

  1. ミッション思考:あるべき姿から考える

  2. イノベーション思考:新しい価値を生み出す

  3. アジャイルな組織:柔軟で機敏な行動

これらは、既存の大手プレイヤーが苦手としているところです。大きなミッションを持って、素早く新しい価値を作る。これは業界を横断して活躍できるスタートアップだからこそできる戦い方だと思っています。

GOGENの取り組み

私たちGOGENでは、ビジョンドリブンで進めています。ただ業界の声を聞き実装するだけでは御用聞きになってしまいます。
業界全体を、全体のユーザー、大局観から改善していく必要があるんです。

部分最適ではなく、業務全体を見て最適化していく。業務フロー全体を改善するところから始める。自社サービスだけでなく、業界全体としてのあるべきカスタマージャーニーを描いていく。そんな仕事が大事だと考えています。

また、顧客と膝を突き合わせて協働することも重視しています。私たちはSaasとして下請けにはならない。一緒に業界のゴールを目指してものづくりをしていく。エンジニアやデザイナーも顧客と直接対話し、一緒にものづくりをしていきます。

プロトタイプも重視しています。動くもの、目に見えるものを作って議論を進める。
これは業界を問わず大事なことですが、特に新しいことをやろうとするときには重要です。高速なプロトタイピングを心がけています。

最後に、私たちが大切にしているのが「Respect&Update」というバリューです。不動産業界をレガシーだとか、古い凝り固まった業界だとネガティブに捉えるのではなく、人々の生活を支える上で大事な知見が集まっているとリスペクトする。
その上で、変えられない部分があることを認識しつつ、アップデートしていく。このマインドセットが社会価値の創造に役立つと信じています。

不動産テックの未来

不動産テックの領域はこれから一気に加速すると思っています。国内の不動産テックの市場規模は、2025年には3倍近くになるという予想も出ています。グローバルでも不動産テックへの投資が急増しています。

新しい事業で業界を変えるような大胆な革新を起こすチャンス。それが今、まさに訪れているんです。

最後に

今日お集まりの皆さんと一緒に業界の未来を作っていきたい。そう強く思っています。

私は今、不動産テックのコミュニティを立ち上げています。興味のある方は、ぜひSLACKに参加してください。「登壇を見ました。一緒にやりましょう」と言ってくださったら、私から声をかけて飲み会や情報交換の場を設けたいと思います。

また、私たちのビジョンやバリューに共感してくださる方、特にエンジニアの方を募集しています。興味のある方は、ぜひ声をかけてください。

ぜひ、ここにいる皆さんで不動産テックを盛り上げていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。

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