自転車×フェリー旅こそ至高だ。チャリ部離島班が語る「愛すべき船旅たちよ」
先日、Twitterでとあるツイートを目にしました。
マルエーフェリーとは鹿児島県・鹿児島港と沖縄県・那覇港を結ぶ大型フェリーで、途中には奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島といった南西諸島の一部を結んでいます。
かつて某国立大学サイクリング部というネーミングだけで泥臭さ満点の部活動に勤しんでいた私は、本来ならばキラキラと光り輝いていたであろう青春の一片をマルエーフェリーとともに芋臭い自転車旅へ託し、チャリンコとキャンプ道具を傍に、鹿児島から那覇へ向かいつつ、島を点々と旅をしました。
ここで紹介するのは、大学時代に部活のミーディングで汚れなき眼でキャンパスライフに想いを馳せる新入生らを同じ沼に引きずり込もうと準備した資料を元にした勧誘文。主に自転車ツーリングでフェリーを利用し、離島をライドしようとする際に気を付けると良いhow to集でございます。
今後、愛車で離島をライドしたいと考えている人にとっては、もしかすると、奇跡的に、天文学的レベルで……役に立つのかもしれませんね。知らんけど。
自転車で離島に行くべき理由4つ
自転車で様々なところへ行こうと思っている皆様、忘れてはならないのが離島です。離島こそチャリ旅の醍醐味、ああフェリー、轟く汽笛、さらば本島……。感情に訴えてもしょうもないので、離島に行くべき理由をまとめてみました。
1.日本は島国、離島がいっぱ〜い
日本は四方を海に囲まれている島国。海域に点在する島には国境を超えていないにも関わらず、見たこともない文化が息づいています。
関東であれば伊豆七島、関西であれば瀬戸内海の島々が身近な離島。ものの数分の船旅から中には数日かかる船旅まで、この国では離島旅がよりどりみどりなのです!
2.離島は迷子になりにくい
「ちょっと方向音痴なのよね」というアナタ。ある程度小さな離島なら迷いませんよ! というのも、土地勘に不安ならば海沿いの道を進めば良いのです。端的な話、港を起点に時計回りに進むのならば海は左手、反時計回りに進むのならば右手に見えればOK。ね、安心でしょ。
3.車は早すぎ、徒歩はしんどい
離島でレンタカーを借りるのってなんだか味気ない気がしませんか? ね、しますよね。すぐ一周完了できちゃうんですもん。かといって徒歩は過酷。水曜どうでしょうの喜界島リアカーシリーズを見れば言わずもがなです。
そこでthis is 最高に丁度いい乗り物が自転車なんですよ。山あり谷あり海あり、気になる場所ですぐに止まれる、引き返せる。なんなら地元のおばちゃんに話しかけられる、みかんをもらえる等々……。
とりあえず自転車を持って伊豆大島あたりに行ってみてくださいな。丁度良い距離だから。
4.一周するという達成感
自転車乗りって単純なんですよ。だいたい「○○端」「最高地点」「○○イチ」と言えばホイホイ釣れるんです。悪口じゃないですよ、私のことなので。
離島はあまり難しいことを考えずに一周できるところが魅力です。ビワイチやアワイチはやはりメジャーでいいかんじなんですけど、ここは敢えてテルマイチ(波照間島)やキカイチ(喜界島)を達成している方が、「あっ明らかに愉快な人だ…」と確信できます。
とりあえず乗船券を買ってみよう
フェリー会社によって予約の仕方は多少異なりますが、乗船一ヶ月前からほぼ予約を受け付けてくれます。しかしながら、繁盛期以外ならば予約なしでも乗船できるでしょう。(実際ひとり船旅では、一度も予約しませんでした)
当日にフェリー乗船券を購入する場合は、フェリー出航の一時間前には手続きを終わらせておくと良いです。学生諸君は鉄道同様、学割証明書を必ず持参すること。これは鉄則。距離によって学割料金にて乗船できます。
自転車の積み込み
乗船チケットを購入する際に、自転車も同乗する旨を伝えましょう。自転車料金を払って積み込むことができます。その際、普通の乗船の仕方とは違い、車やオートバイと同じ貨物口から乗船することになるので、あらかじめ積み込み時間と場所を受け付けで聞いておくとスムーズにいくでしょう。
また輪行をすれば、手荷物として客室に持ち込めるケースも多くあります。その際は自転車料金を節約できるため、余力がある際にはおすすめです。キャンプ道具を持たない旅では荷物が少ないはずなので、輪行すると節約効果がありますよ。まあどっちみち重いんだけどね。
自転車を預ける場合は、サイドバックおよびテントなども自転車に積んだまま預けるので、身軽に船内をうろつくことができるのが利点です。
なお、船内で一泊する場合は、洗面用具など必要なものを必ずサイドバックから取り出しておきましょう。出航してしまうと、自転車の元へ戻ることはできません。
(船内で食べようと思い買ったパンを、サイドバックに入れたままにしてしまい、悲しみの涙を流した大城であった)
船酔いで吐かないためのエトセトラ
かく云う私も、乗り物酔いをかなりしてしまう方。車で具合を悪くしビニール袋とお友達常習犯でした。そんな私がフェリーにばりばり乗れてしまうコツを体得したので、ここで伝授させて頂きたく思います。
①揺られてるんじゃない、私が揺らしてやってるんだ!
受動的に「揺らされている」感覚でいると吐きます。それは電車でも車でも同じこと。
考え方を変えること「私が揺れているから世界が揺れている。私は今、波に乗っているのよ」。
そう思うだけで、ある程度の酔いは吹き飛ばせます。揺れを無視することは不可能です。ならば、波に身を任せていると考えれば、普通の天候の船旅は大体勝てます。まじかよと思ったあなた、期待して損したというあなた、お金はかからない方法です。試さないで吐くよりは、試して吐いた方が人間的に豊かになります。ぜひ試してごらんなされ。
②食事は淡白、質素なものを
言わずもがなですが、乗船前にカツ丼大盛りと照り焼きバーガー、コーラを飲んで吐いたとしても誰も同情しません。寧ろそれでぴんぴんしていたら、私が責任を持ってグーパンを食らわせます。船に乗る前や乗船中は、淡白なものを食べると酔いにくくなります。
また、少し酔ってしまったときに、梅干しなどを口に放り込むと楽になったりしますよ。気付けに珈琲ブラックを胃に流し込み、盛大に酔ったことがあるので、おそらくカフェインはアウトです。
③キャンプツーリング者にとっての船は「豪華宿泊施設」
カーペットの床、壁も屋根もあって空調もある。これほど素晴らしい宿泊施設に泊まれるのも、フェリーの恩恵。寝ましょう。おおいに眠らせて頂きましょう。
キャンプツーリングを主体で離島を旅していると、フェリー乗船後、瞬殺で寝れるようになります。また疲れすぎているときはとりわけ酔いやすいので乗り物酔い薬を服用すると、非常に有意義な船旅になります。
世の中が落ち着いたら、とりあえず行ってみるのだ。
さて、交通手段について長くなってしまったので離島ついてのスペースが少なくなってしまいました。離島の利点をあげたく思います。
迷子になりにくい!
たくましくなれる! 等々…
そもそも魅力など教壇の上で語ったところで、どんな謳い文句も稚拙なものになってしまいます。島の魅力は、感じるもの、見つけるもの。人に教えてもらうなんて、ナンセンスです。遠くへ行きたくなったら、自転車の恩恵を十二分に授かりたかったら離島へ。
男に女に、二言は無用です。以上。
【勝手に語らせてくれコーナー】個人的に乗船したい航路5選
フェリー路線って、年々減りつつあるんです。格安航空会社(LCC)の台頭による利用者の減少等、色んな要因が関わっているそうですが、かつて夜行列車に憧憬し、いまやもうサンライズしか残されていないという事実を突きつけられた絶望界隈の諸君!おう、私を呼んだかァ!
旅先はいずれなくなる。そして交通網までも淘汰されるのです。
ということで、自戒の意を込め今後乗船してみたい航路を集めてみました。
<国内航路>
【大阪⇄別府】フェリーさんふらわ
関西の方々によくドヤされるんです。
「さんふらわ乗ったことないんか?ハァ!?」
正直、羨ましすぎて素直に「乗る〜♡」って言えないんですよね。温泉大国・別府に一晩で行ける魔法の乗り物なんですよ、さんふらわは。言ってしまえば、金曜夜にフェリーに乗り込みビールで寝酒して目を覚ませば大分に到着しているという夢が叶うんです。カ〜ッ、乗りてえ〜〜!
【石垣島⇄与那国島」フェリーよなくに
〆切に追われているときこそ、果てに行きたいですよね……(遠い目)
石垣島は竹富島や西表島など八重山諸島を繋ぐハブ島となっておりまして、与那国島航路も未だバリバリ現役なんですね。与那国島といえば台湾のご近所さんで、Dr.コトーのロケ地としても有名です。ああ、行きたいな。
<国際航路>
やっぱり人生一度は国境を船で越えてみたいんですよ。しかしながらLCCが台頭した今、旅客フェリー需要は確実に落ち込んでおり、衰退の一途を辿っています。気になっている航路が撤廃されるのも時間の問題かも。ウワアァ、早く乗らせてくれ〜〜!
*2021年7月現在、多くの国際フェリーが新型コロナウイルス感染拡大の影響で旅客サービスを停止しています。詳細は各社公式サイトへ。
【神戸・大阪⇄中国・上海】新鍳真(しんがんじん)
こういうとき関西圏って羨ましいですよね。上海に行けるんですって。フェリー内の食堂では主に和食と中華が提供されているのだとか。両方食べてみたいなぁ。
【山口⇄韓国・釜山】関釜フェリー
こちらは韓国・釜山と山口県を繋ぐフェリー。1日1便も出ているのは、ちょっと驚きですよね。どんな方が利用しているんだろう。
【京都・舞鶴⇄ロシア・ウラジオストク】日韓露国際フェリー航路
ロシアってちゃんと隣国なんですよね。当たり前なことを言っているのですが、モスクワがはるか西に位置するだけ、実感が湧かないのです。舞鶴〜ウラジオストク間を結ぶ航路は、ロマンofロマン。そもそも関東に住んでいる私は、舞鶴へ行くだけでも小旅行なのに、そこからまあロシアだなんて! 超贅沢でございますよ。
【最終更新:2021/7/21】