手
付き合ってからなんだかんだ初デートから帰ってきました。
お酒抜けずデロデロ。
夜中3時帰宅。
雨が降ってたから駅で待ち合わせにした。
後ろからハグして驚かせようとするも勇気が出なくて首を掴んで驚かすという可愛げもクソもない挨拶をしてしまった。
「殺されるかと思った〜笑笑」
と朗らかに笑う君。
欲しいものなんにも決められない上に少し気になってた物は売ってなかったから、とりあえず一番やりたかった、プリクラを撮ってもらうことにした。
全部盛れたからなんかそれだけで満足してしまった。
誕プレはコレで充分と伝えると、「遠慮しないで」と言われたが本当にこれだけで幸せ。
晩御飯もカフェもバーも全部出してくれてたので実質プレゼントより高くついてるのだろうなと気まずかった。
感謝を伝えると
「姫に貢ぐのはとーぜんよ」と言う。
ぐぇ〜恥ずかしい!!!!
姫とか私は推しにしか言ったこと無いので、いざ自分が言われると脳みそがショートしかけた。
自分、ワールドイズマインしちゃっていいすか??
美味しいご飯を食べさせてもらって、BARでソルティドッグも飲んだ。周りについてる塩ぺろぺろした。美味しい。明日絶対浮腫やばい。
続いてチャミスルを買って鴨川の上流の河川敷を目指す。
まさか自分が鴨川の空いたピースを埋める時が来るなんて。
度数高いからお酒が弱い我々は一瞬で酔っ払った。
2人で何か話して笑って地面に寝転がると、視界に綺麗な月と夜空が広がった。
初めてこれが自分の人生なんだなと思った。
今まで私は常に親を1回通して生きてきた気がするけど、何か脱出をした気分。
これが自由というやつで、一般的には皆幼少期や学生時代からこんな自由を経験していたのでしょうか。
パズーとシータがラピュタに着いた時のアレみたいな沈黙が続いた。
秋の涼しい風と彼氏の汗の匂いがした。
ここで死んでしまいたいなとまた思ってしまう。
※幸せの頂点に立つと死にたくなる癖がある。
「オレは幸せ〜と思うともっと幸せになろうと思うタイプよ」
幸せ貪欲宣言。
その幸せに私は含まれているのでしょうか
まだまん丸の月を見て
自由だけども親が起きるまでに月に帰らなきゃという謎かぐや姫の気持ちになった。
そしてネガティブ人間の私は急に現実を考えてしまってこれからどうしようという不安に襲われる。
「これからどうしよう。」と今現在のことか未来のことか分からないような発言を突然してしまう。
私の肩を抱いて「なんとかなるよ。大丈夫大丈夫。」と言ってくれた。
涙が出てきてしまって横向いて泣いていないふりをしたが
私が彼氏なら、なんだこの女気持ちわりぃな案件である。
でも背中ぽんぽんしてくれた。あたたかい手だ。
この手を知っている。
風邪ひいた時お母さんがポンポンしてくれた時の手の温かさだ…!!
その後俺の心臓ヤバいよって触らせてくれたけど心拍数測ったら130越えで笑った。お酒を辞めた方がいい。
しかし今日発覚したが、
アレは緊張からのドキドキだったらしい。
「次は200越え行こうか〜」
と言うと
「じゃあドキドキさせてくれるってことね」
と言われて墓穴を掘った。
なんかこのまま行くと良くない展開になりそう。
嫌だ────!!!学生同士のピュアピュアがいいんだよコッチは…!!!
それからべろんべろんに酔っ払った我々だが、終電が無くなったので歩きで帰ることになった。
しかも10km。Googleマップで家まで2時間という表示が出る。
「こんな時間まで大丈夫やろうか。親に怒られない?俺謝りに行くよ。」と終始心配してくれていたが問題ない。
私の朝帰りはよくあることだ。
「もっと一緒に居たいから歩いて帰ろ?」
というと喜んでいた。
というかそれよりも先程飲んだお酒でお腹が気持ち悪い。
と少しうずくまると背中をさすさすしてくれた。
気持ち悪くなると私は吐かないと絶対治らないのに、彼氏の手の謎のパワーにより一瞬で治ったのは本当に凄い。アイツ何者。
正直私は彼氏と正反対のような性格で、
人と話すのが好きだし、理屈より感情で物事を決めて生きるタイプだから合わないかなと思うけど、
意外と傷つきやすくて外見を気にする所などを見ると、根っこは近いのかなと思った。
まだまだ未知数。人間なんて一人一人小宇宙なので分からないに決まってんだな。
分かるなんて烏滸がましいんですよ。
分からないからこそ歩み合ったり、敢えて分からないままで居たり、知らないふりをしたり
その気遣いで絆は深まるのだなあ〜
とか思いながら歩いていたら靴擦れで足から血が出てきた。
そしたらひょいっとおんぶしてくれたし、薬局に入ってちいかわの絆創膏買ってくれた。
彼氏がでかいのもあるけど男の人って凄いな。
47㌔まで落とした甲斐があった。
このまま永遠に陽は昇らないで欲しかったし、
静かな世界に2人だけで居たかったし、家に着かないでくれ〜と思った。
皆寝ちゃったよ
今夜、世界は僕らのもの
って感じ。
でも現実というものは厳しいので普通に家に着いた。
新聞配達の人と目が合った。
ここからまた自分の家まで歩いて帰る彼氏に感謝を告げて見送る。
次会うときは多分年末くらいかな。
もう一度その手に触れたい
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