ダート1200mと1400mで見る南関4場ラップ傾向
はじめに
地方競馬において、南関では割と厩舎が他の3場を試しているのを見かける。
浦和所属の馬が船橋を使っていたり、川崎所属の馬が大井を使っていたり。特に2歳戦は適正を探るためなのか、転戦しているのもよく見かける印象がある。
では馬券を買う上で、南関4場の違いをどう捉えればよいのだろうか。
ここでは2021年以降のクラス・距離においてサンプル数が各場100以上ある、C1クラスでのダート1200m・1400mのラップ傾向から紐解いてみたい。
大井競馬
1200m・1400mは共に外回りコースを使用。
最終直線は386m。外回り一周1600mと南関4場で一番広いのが特徴。
1200m
lap2までで加速、そこからlap4まで緩んで更に再加速といったラップ。
コース形状に当て嵌めると、lap2途中までが丁度バックストレッチ部分にあたる。先行争いののち、ここで一回緩んで(直線に向かって息を整えて)、lap4終わりぐらいから再度加速といった流れになりやすいと読み取れる。
1400m
ポケットスタートなせいか、1200mほど最初のラップはきつくないがそれでも脚を使わされる様子。後半の基本的な流れは1200mとあまり変わらない。
(参考:1000m)
船橋競馬
1400mの条件はなく、1200mのみ扱う。
1200mはポケットからスタート、ワンターンで最終直線308m。
スパイラルカーブが特徴。徐々に角度がきつくなっていく形状のため外の馬でも急旋回する必要なく4コーナーに移行できる。そのため最後の直線でばらけやすい。
1200m
緩まず、徐々にペースが落ちていくラップ。
コース形状から考えると、ポケットスタートからlap3に差し掛かった辺りでスパイラルカーブの入り口、lap5真ん中ぐらいが出口にあたる。
船橋1000m、1500mのラップを見ても残り600mあたりから徐々に落ちていくあたり、スパイラルカーブがあるため緩めづらいという面はありそう。
(参考:1000m、1500m)
1000m
1500m
川崎競馬
1200mの開催は無く、ここでは1400mのみ扱う。
一周1200mの割に直線が300mと長く、自然とコーナー部分で走る距離も短くなるためタイトなコースと考えて良い。
1400m
小出しに脚を使わされるようなラップ。
レース形状に当て嵌めてみると、lap2の途中からターンのため一回緩んでコーナー区間の終わるlap3終了あたりから徐々に加速、またコーナーで緩んで最後の脚比べといったところだろうか。
(参考:900m)
浦和競馬
1200mという条件がないため、1400mのみ扱う。
直線距離が短く、最終直線は220m。
他4場に比べてコーナー部分の割合が長いのが特徴か。
1400m
lap2から徐々にlap4まで緩んで、更にlap5から加速して最後の脚比べといったラップ。
コース形状に当て嵌めて考えると、lap2途中~lap3終了あたりで一回コーナーに入りラップが緩んだあと向こう正面で息が入り、3コーナー入口あたりから加速するような形か。
(参考:800m)
考察
1200m、1400mにおいてそれぞれ考えたい。
1200m
大井・船橋での比較検討。
大井においては一旦緩んで再加速するラップだったが、船橋においては緩まず徐々にタイムが落ちていくラップだった。
つまり、大井においてはコーナーで息が入るため最終直線で踏み直せて、尚且つ早い脚が使える馬、船橋においては消耗を押さえつつ最後に脚を残せる馬が一般的には有利と考えて良いと思う。
1400m
大井・川崎・浦和での比較検討。
大井はワンターンなのに比べて川崎・浦和は一周回るコースであることに留意したい。
大井においては3コーナーまでで先行争いが終わって一回息が入り、そこから最後の追い比べが始まるが、他2場においては直線に入るまでのコーナー入口前後での駆け引きが発生しやすい。
川崎はコーナー部分がタイトであるため、早めに位置を取ってコーナーに差し掛かりたい馬と前で走りたい馬同士の駆け引きが発生し、浦和はコーナー部分が長く直線が短いためコーナー途中から加速してそのまま追い比べが発生する、といったところだろうか。
纏めると、大井は先行争いが終わった後、最終直線で踏み直せて、尚且つ早い脚が使える馬、川崎は位置取りに早めに動けて脚を残せる馬、浦和はコーナー外に振られづらいパワーのある馬が良いといったところだろうか。
終わりに
今回取り扱ったのは1200m、1400mだが、大井1600mなど特殊なコースもあるため、そのうちその辺りも今後扱ってみたい。
読んでいただきありがとうございました。
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