アメリカの大学院生活記録③ 1年目終了
4月で大学院1年目を終えた。
春学期は秋学期よりも忙しく、毎週何かしらの撮影に参加しながらなんとか自分の作品も撮り終えてほっとできた。と思いきや、すぐ次は来学期に撮影する作品の準備段階に入った。忙しい。けれどその忙しさが嫌いではない。日本に来る前に1年強社会人をしていた時は残業することを嫌がっていたのに今はその忙しさを楽しんでいるところがある。
目まぐるしい日々に疲れることも多かったが、不思議と日本に帰りたいという気持ちにはならなかった。
アメリカでの生活を振り返ると、何もかもが日本とは違い保険が国から補償されていなかったり、良いサービスを受けるためにはチップを払ったり、とにかく能動的に自分でどうにかしなければならないが、自分で何かした分だけ成果が返ってくる点が日本と違う。だから日本でいう一般的な生活を送るために苦労するがそれを考えていることで余計なことを考えずにいられるので精神的に疲弊することがない。日本ではすべてがシステム化されており、決められた道ができているため、それにさえ沿って生活していれば問題なく、余計なことを考える時間が増えて私は精神的に参ってしまう。ただ、だからこそ日本の映画にも繋がることだが、アメリカの作品と違いある人の人生の一部を垣間見たような、感情に直接問いかけるような作品が多いのだと感じた。そしてアメリカで学んでいく上で私はそんな日本の作品が好きで作りたいと思った。元々アメリカで映画を学ぶことを決意したのは映画の本場はハリウッドであることはもちろんだが、作られる映画が多様性に富んでいることであった。しかしいざ学んでみると自分が作りたいのはアクト1から3まで主人公の「欲しいもの」「成し遂げたいこと」がはっきりしたハリウッド式の物語ではなく、ある日常を切り取ったような、一見起承転結がはっきりしていない日本の映画なのだと知ることができた。だからいつかは日本を拠点に映画を作りたいとアメリカでの生活を通して考えるようになった。
今はまだ卒業後どこで過ごすかを決めかねているがいずれにしてもどこかのタイミングで必ず日本に返って山奥に家を建てたい。それを叶えるためにもアメリカでもう一踏ん張りするぞー!
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