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2024.0815


何も持たずに生まれ、何も持たずに死んでいく。

大人になるにつれ様々なものを身に纏う。蓄える。物だけでなく、欲や執着、様々な感情も。
手に入れることこそ栄光だと錯覚するけれど、実際はどうなのだろう。

思い返せば、本来の私は何も持っていなかった。この世に生まれた瞬間、真っ白で、丸裸で、無一文だった。それはきっと、最期も。

何も持たずに生まれ、たくさんのものを手に入れ、死に向かいまた手放していく。手に入れて前進しては手放し、また空いた場所に新しいなにかが入ってきては、また前進し手放す。生きていく過程の中に「手放す」という行程が当たり前に組み込まれると思っていたほうがいい。 

なにかを失っても、それが大切にしてきたなにかだとしても、それはそういうタイミングであり、元の自分に近づいただけだったのだ。失う恐怖に怯えることも、失ったことを嘆く必要もない。

そう思えば、執着するべきものなど何一つない

沙羅

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