取材道場・体験記⑤座談会の巻
5月から始まった取材道場もいよいよ大詰め。10月16日、いつもの「なごのキャンパス」でついにフィナーレを迎えた。
最後のテーマは、座談会である。
座談会とは、特定のテーマについて複数の人が集まって、自由に意見や経験を交換し合う場のこと。(by ChatGPT)
これまでの取材道場では、一対一で話を聞いてきたが、今度はなんと4人!
私の数少ない脳細胞をフル稼働させても、まとめきれるかどうか……不安しかないのが正直なところ。
記事を作る目的は、主催するWriting Shipの活動を読者に知ってもらうこと。つまり、Writing Shipの魅力を伝えられるような内容にしなくてはならない。
私は、取材テーマを「取材道場」にした。これまで参加してきて、この上ない学びを得たし、講師の皆さんの取材道場にかける思いを聞いてみたかったからだ。
さて、この難易度激ハードモード座談会。一体どうなる……?
前回までの体験談はこちら!
(う…上手い…)
他の方の取材の様子を見て、焦る焦る。さすが取材道場で鍛えられた猛者ばかり。丁寧に一人一人の言葉をすくい取り、次の人に会話のパスを回す。それがみなさん、めちゃくちゃ上手なのだ。
今回の座談会は、一人当たりの持ち時間が15分。これまでの取材道場では30分が持ち時間だったので、半分の時間で必要な情報を引き出すのは時間との勝負となる。
取材の順番決めは、ジャンケンで行われた。私の順番は最後から2番目。素晴らしい取材をたくさん浴びまくった後に、回ってきた。
本当なら、人の取材から学ぶべきことはたくさんあって、それを取り入れたいと思うのだが、いかんせん自分の順番が回ってくると思うと、そこまでの余裕がない。
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そして、ついに自分の番が来た。ドキドキ……白い机の向こう側に、講師の方が4人ニコニコしながら座っている。これまでの取材の様子を見ていると、和気あいあいとした雰囲気の中で行われていた。よし、記事に必要な内容を楽しく話してもらうんだ!と気持ちを切り替えて臨んだ。
「今日はよろしくお願いします」
私がぺこりと頭を下げると、講師の方も「おねがいしまーす」とあいさつしてくれた。
取材の切り出し方にいつも迷ってしまうのだが、今回は役作りではなく素のみなさんなので、思っていることを正直に伝えた。
「私は緊張していますが、みなさんはお気になさらず楽しくお話しいただければと思います」
↑これ、実際の取材ではNGなので、参考にしないでくださいね。
でも、みなさんは笑ってくれて、緊張が少し解けた気がした。こんなやり方も、相手によってはあり……なのかな?
さて、座談会の回し方だが、誰かに話をしてもらったら「◯◯さんは、今の意見についていかがお考えですか?」と話をふることを心がけた。
誰かに偏りすぎないように、なるべく満遍なく。
それから、座談会でなくても、取材では私は相手の話した言葉を受け止めて、自分がどう感じたかを簡潔に伝えるようにしている。
楽しく話せる雰囲気、話したいと思える雰囲気づくりは、取材において大切なことだと思う。
それは表情であったり、身振り手振りであったり、驚いてみせたり、感動してみたりといろいろあるのだが、今回もそれを意識してみた。
実は終了後、ほかの受講生さんと「今回はボーナス会だったよね」と話していた。講師のみなさんの思いや考えが聞けて、ライターとして学びになるお話しばかりだったからだ。インタビュアーの役得よね……と改めて思った。
あっという間の15分間で、時間が足りないのが正直な感想。
もっともっと4人のお話を聞きたい!そう思った座談会だった。
全員の座談会を終えたあと、全ての講座を修了したということで、卒業式が執り行われた。
なんと、Writing Shipさんの方で、受講生一人一人に卒業証書を用意してくださったのだ!
小学校の卒業式を思い出す。そういえば、取材道場の会場(なごのキャンパス)は、もともと小学校の校舎なので雰囲気がバッチリ。気がつけば、講師の方のスマホから、バッハのカノンが流れていた。
講師の方が前に立ち、一人ひとりに証書を読み上げて、手渡しする。渡すときにメッセージをかけてくださり、私はそれを聞いて思わず泣きそうになってしまった。
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取材道場は、決して楽な講座ではなかった。
文字通り、道場という名前に相応しいほど、大変だった。まさに、稽古だ。
仕事もある中で、毎月4件の取材を1日でこなさなければならなかった。
当然リサーチも、質問作りも、執筆もあるから、ずいぶん時間が取られる。
でも、このようなハードな稽古を乗り越えられたことで、少し自信がついたのではないかと思う。経営者取材や導入事例取材などを、現場に出る前に経験できたというのは、これから取材ライターとして活動するうえで、大きな糧になったはず。
証書を手にして「おおしまはな殿」の文字をジッと見つめていると、やりきったんだなぁ…と、しみじみ。
あぁ、もう来月からは取材道場で名駅に足を運ぶこともなくなるんだな……そんな気持ちでしんみりいたら、講師の方が一言、こう言った。
「はいっ!では次回の補講ですが……」
あっ。
そうだった。
私、一度行けなかった時があったんだわ。
だから、補講の対象者なのよね。
来月もあるんだと思ったら、嬉しいような、身が引き締まるような。
よし、次が本当の本当に最後となる。
気合い入れていくぞ!押忍!
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