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コロナ禍で音楽家からアニメーション作家になって賞を頂いた話

私は(主に)音楽家兼アニメーション作家として活動している大柴拓と申します。
正確には作曲家、ギタリスト、アニメーション作家、グラフィックデザイナーをしています。

気がついたら肩書がえらい増えてしまったのですが(しかも長いカタカナばかりで書くときに場所をとる…)もともとは音大を出ている音楽一筋・普通のギタリストでした。
それが転機転機の人生でこんなマルチに活動するようになってしまい…今回はその内の、コロナ禍でアニメーション作家になって賞を頂くまでのことについて書きたいと思います。


なぜアニメーションを作り始めたか

それはずばり、コロナ禍で音楽の仕事が全く無くなったからです!!


コンサートが消滅した2020年春

コロナ禍1年目の2020年、コンサートの予定は3月中旬頃を最後に全てキャンセル。6月一杯までは全く公演がなかったと記憶しています。
私は以前からコンサートチラシのデザインも請け負っていたのですが、コンサートが無くなればそりゃチラシデザインの需要も…消滅!という訳であっさりと2つの仕事を失ってしまいました。
やることが完全に無くなったので、しばらくは朝起きたらビールを飲み、1日中ドラクエに励む暮らし。しかしドラクエもほとんど全クリアくらいまで(相当)進んだところで「さすがに何かやらないとまずいな…」と思い、今までやりたかったけど時間がなくて出来なかった事あったかなあ~、と思い返したときにパッと浮かんだのが "アニメーション制作" だったのです。


ネットで調べながらなんとか制作

チラシのデザインなどで ”動かない絵” は描いていたものの、"動く絵" の経験は全くなく、AfterEffectsというアニメーションを組み立てるアプリはたまたま持ってはいたのですが使ったことは無く、iPadのお絵かきアプリとそれを片手に、初めはネットで作り方を調べながら何とかこしらえた…という感じでした。


音楽劇アニメーション 第一作目

何とかこしらえた、その第一作目がこちら。
せっかく音楽家の自分がアニメを作るのだから、音楽の主張が強い作品をつくりたいと思い、キャラクターの動きと音楽が密に絡み合う(そういえば当時は "三密" とか言ってたな…)短いコミカルな作品を「ミニ音楽劇」と名付けて制作をしました。


上映会が出来ない2020年

2020年、特に上半期は公演活動が全く出来ず、アニメを作っても上映会などもってのほか。「ミニ音楽劇」シリーズを作っては YouTubeで公開する、という暮らしを秋頃まで続けていました。この頃の作品は今でも YouTubeで見ることができます。


民話のアニメーション制作

ミニ音楽劇は2~3分の短いアニメーションでしたが、2021年の1月に初めて長めの(8分半=といっても制作にひと月以上かかる)アニメーション音楽劇を制作することになりました。
それが茨城県笠間市の民話『岩間山の天狗伝説(寅吉物語)』です。現在は笠間市の公式 YouTubeチャンネルで公開されています。

この天狗アニメは、企画:小林萌里 さん・調査・脚本:高橋協子 さん(2人は茨城在住)と3人で制作。このあと三部作まで続いて昨年末にようやく完結となる2年がかりの大企画となりました。私も今ではすっかり茨城と縁深くなり月1回くらいのペースで上映会や演奏をしに伺っていますが、全てのきっかけはこの天狗アニメーションの制作でした。


アニメーションと生演奏の公演

2021年になると徐々に公演活動が復活します(当時は客席数半減など強めの対策をしていた頃)。演奏や作曲のご依頼も再開する中「アニメーションと生演奏の公演」というコロナ前の自分にはなかった新しい機会を沢山いただくようになり、今まで作ったミニ音楽劇を生演奏バージョンにして取り上げたり、岩手県大船渡市のために『うらしまたろう』の音楽劇アニメーションを制作し実際に上映+生演奏をしに出向いたりもしました。
記事を書いている2023年現在、この「アニメーション+生演奏の公演」は私が最も力をいれている活動のひとつでもあり、note のほかの記事でも技術解説などで取り上げています(そうだ、技術記録を残したくて note を始めたんだ…!もっと頻繁に更新しないと…


🏆DigiCon6 ASIA で受賞

そんなこんなで 2021年にはすっかり作曲家・ギタリスト・アニメーション作家業がぐっちゃぐちゃに入り乱れる生活が定着して、それはいまも継続しています(思えばチラシデザインだけは2022年に入るまで回復しなかったし、今でも少ない…

アニメーションに関しては、2022年に音楽劇『救世主うたのお姉さん』というストーリーも含め自作のアニメーションを制作。たまたま勧められて応募したアジア最大規模の映像コンテスト DigiCon6 ASIA というイベントでなんと「丸の内賞」というありがたい賞を頂くことができました。
この作品はコンテストの公式 YouTubeチャンネルに公開いただいています。

主人公の「歌のお姉さん」の声は私の主宰バンド Ensemble para furores (パラフロ)のメンバーでもあるソプラノ歌手の 加藤早紀 さんに参加してもらい、それ以外のアニメ・作話・作曲・ギター・声など全てを私自身で行っています。


東京・丸の内エリアで放映される

この受賞がきっかけて、東京駅周辺を管轄する三菱地所さんから機会をいただき、丸の内エリアの26箇所近くあるTVモニターで私のアニメを編集した15秒CMを今年2023年の初めから半年近くも放映いただきました。

東京 丸ビルの巨大モニターで放映される拙作アニメーション(目の前でコンサートもしました)


現在~今後

2023年は今のところ作曲のお仕事が比較的多いですが、ちょうど今から(2023年6月末)新しいアニメーションの制作にも取り掛かろうと計画しているところです。
また作曲・アニメーション制作に並行して、上にも書いたように「アニメーション+生演奏の公演」にも力を入れていきますので、気になる部分の活動だけでも良いのでぜひチェック頂けたら嬉しいです。

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