じょもろい小商いとは?
おせっかい社かける、では、じょもろい小商い、があふれるマチやコミュニティをふやしたい、と考えています。
■じょもろい小商いとは?
私たちは、これまでにさまざまな地域やテーマでの起業、創業に携わってきました。その中で気づいたことは、これまでの起業創業は「経済価値の規模と効率の最大化」に重きをおいている、ものがほとんででした。
もちろん、これも、いまなお重要なことだと思います。が、東日本大震災でも明らかになったように、一方で、拡大成長を目指す社会運営自体は限界を迎えています。
人口が減り、経済の規模が縮小する時代には、全体を均衡させながら質を高める、新たな社会運営の方法論の確立が不可欠だと考えています。
そこで、私たちは根底にある指標を「経済資本」から「関係資本」に転換したうえで、あらたな事業の規模やガバナンスのあり方を提案し、増やしていきたいと考えています。
私たちが提案する「じょもろい小商い」とは
<じょもろい>
=いまの常識に囚われず皆を笑顔にする
<小商い>
=年商100万円以下の副業や週末起業で、お金儲け以上に、関係資本づくりを大切にする製品やサービスを提供する個人事業主やプロジェクト、組織体。
となります。
■じょもろい小商い、が求められる、時と場所
じょもろい小商いは、これまでの起業に対する考え方と以下の点でことなります。
・経済資本でなく信頼資本を価値指標に
・年商10億の事業でなく年商100万円の小商い
・地域ごとの文化と風土を生かすサービスや商品
・高校生〜アラ100まで、年齢制限なし
・相互扶助コミュニティと拠点づくりがキモ
このような、小商いは、どんな状況や場所で有効なのでしょうか?
私たちは以下の2場面で、とくに有効だと考えています。
①向こう三軒両隣の「つながり」が断たれてギスギスしたCommunity
=たとえば、ご近所さんづきあいが生まれづらい東京郊外の新興住宅地
②経済価値指標の拡大や成長には向かない地域
=たとえば、過疎化、高齢化、人口流出の続いている地方自治体
では、なぜそう言えるのでしょうか?
■じょもろい小商い、はなぜ重要なのか。
年商10億円の事業を打ち立てる起業家を1人育てようとすることは大切です。が、それをやろうとすると、1000人いる挑戦者のうちの、900人は事業計画段階で切り落とされてしまいます。投資や融資を行う金融機関や投資家の仕組み上、これはどうしても仕方のないことです。
これは、チャレンジャーが豊富にいる都心部などでは、有効な投資モデルと考えられます。
しかし、チャレンジする人の絶対数自体が限られ、また投融資の機会も限られる地域で、同じことをやってしまうと、何が興るでしょうか。残された100人が継続した投融資をうけて事業を拡大させる可能性も限られる一方、900人もいたプレイヤーの予備軍が、すべて消え失せてしまいます。
私達は、これまで多くの自治体で、経済的規模の拡大を重視したシリコンバレー流のスタートアップ論をなんとなく取り入れて、大きな事業体を生み出すことに固執して、創業支援のプログラムを企画実施し、結果として、多くのプレイヤーの芽が潰されていく現状を目にしてきました。
これは、本当にもったいないですよね。
わたしたちは考えます。
むしろ、人口減少にむかっている地方都市や町村では、
年商100万円の小商いを創り出す1000人のプレイヤーがいる方が、
よほど靭やかなマチになる、と。
1人1000円で年間1000人に提供する小商いは、経済指標でみれば、取るに足らない、ミソッかすのようなものかもしれません。
しかし、つながり資本、の観点から考えれば、それは、地域社会の中に、1000の絆をつくりだす、貴重な機会です。
年間に1000のつながりを創り出す小商いの造り手が、1000人いれば、街には年間100万の「つながり」が創出されることになります。
それは、地域の中に、多様な信頼関係と、創造の余白がうまれることを意味し、同時にそれが、地域全体の多様性と、しなやかさ、となって全体を豊かで持続可能にしていく、と考えています。
そして、そのうえで合計10億円の経済価値も創出されるのです。
こう考えた時に、地域社会のなかで、どちらのプレイヤーも育むことの重要性がおわかりいただけるのではないでしょうか。
■まずは秋田県湯沢市のみなさまとともに
上記のような考えのもと、おせっかい社かけるでは、これまでの創業支援プロジェクトSUSANOOでの「相互扶助コミュニティづくり」の経験とノウハウを活かし、2019年度も秋田県湯沢市さんとともに、「じょもろい小商いの相互扶助コミュニティ醸造」に挑みます。
その経験と学びも、のちほど共有しますので、引き続き応援よろしくおねがいします。
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