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インパクトかあちゃん

ちかごろ

かけるでは ご縁のある いなかまち 

にうかがうことがふえた

秋田のゆざわや、福井のおおの

そこで、すごいおかあちゃんたちに出くわす。

なにがすごいって

すごいおかあちゃんたちは

「儲かるからやる」じゃなく

「必要だから」うごいているのだ。

なにをアタリマエのことを

と思うかもしれない。

だけど

今を生きるぼくらにとって

それはけして アタリマエなんかじゃない。

たとえば

まいにち ひとり寂しくご飯をたべている

おじいさんやおばあさん

子育てにつかれきっている若いおかあさん

そんなひとたちが

ちょっとひといきつける場所が

必要だから

そんなひとたちが

みんなでご飯をたべられる場所が

必要だから

だからおかあちゃんたちは

ご飯をつくって、みんなを招く。

儲かりもしないのに。

たとえば

福井のおおので、であったおかあちゃんたちの

つきに1日だけオープンする、上庄食堂。

7人のおかあちゃんたちが料理をふるまい

こどもは100円、おとなは300円で

みんなそろって「いただきます」をする食堂

一年続けてきたその食堂には

この2月は100人も集まったそうだ。

思いがけないお客さんの数に

おかあちゃんたちの食べる分が

足りなくなった。

と、そんなことを

なんともうれしそうに語りながら

おかあちゃんたちは

「わたし達のおなかはへってたけど

このへんはポカポカするんよ」

と、やさしく胸のあたりをたたいていた。

ぼくらの社会には

ややこしい問題がたくさんある。

それを解決するために

インパクトが必要だといわれ

賢いひとたちが何年もかけてはなしあい

何億もかけてつくったしくみが

おもうようにいかず

右往左往していたりすることがよくある。

そのあいだに

日々をだれかとともに生きている

田舎のおかあちゃんたちは

そんな難しい問題たちを

笑いながらさっさと片づけている。

ぼくらの まちの生きやすさは

そんなおかあちゃんたちが支えている。

これから、ますます人が減って

経済はちいさくなっていくだろう。

そのとき大切なのは

量や効率でなく、質と調和のはずだ。

だからこそ、おかあちゃんたちの役割は

ますます、大切になっていく。

もう、そろそろ

そのことに気づいてもいい頃

だと僕らはおもう。 

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