笹の節句に「夏おせち」作り
日本の四季を彩る代表的な節句を五節句といいます。
一月七日(七草の節句)三月三日(桃の節句)五月五日(端午の節句)七月七日(笹竹の節句)九月九日(菊の節句)
かつてはその時々の食材を使い、おせちを作っていました。
七月七日は短冊に願い事をかいて、笹に結ぶ七夕です。この日は機織りの上手な織姫さまにあやかって手芸や技芸、学業の上達を願います。
今回は七月七日に夏のおせちを作ってみました。
品書き
[行事食] そうめん
[旬のもの]夏野菜の揚げびたし
鯵のなめろう
[縁起物] タコときゅうりの酢の物
うなぎ
トマトとうずらの紅白串
[汁物] 冬瓜の吸い物
[甘味] 天の川
[飲物] 甘酒
笹の節句で食べるものといえば「そうめん」。これはもともと笹の節句に供えられていた食材が、そうめんの祖先である「索餅」というかりんとうのようなお菓子が起源とされている。そこから転じて「天の川」や「織姫の織物」に見立てて、現在ではそうめんが食べられているらしい。
そうめんは天の川や織り糸に見立てたり、「幸せが細く長く続く」とか、いろんな謂れがある。とにかく七夕にそうめんを食べると無病息災で一年が過ごせる。
タコは「多幸」と書いて、きゅうりは「九利(を得る)」と読む。これを食べるとたくさんの幸せと九つの利を得れる縁起の良い酢の物。
旬の夏野菜は揚げびたしにする。旬のものはなにをしてもおいしい。一度油に通すと、なぜあんなにうまくなるのか。出汁とめんつゆに半日漬けるとさらに美味くなる。汗だくになっても揚げ野菜はやめられない。
まな板の上で鯵をたたく。鯵は味が良いことが名前の由来になっていて叩くとうまみがぐんと増す。まだうまみが少ない釣りたての鯵を、漁師が船の上で叩いて食べたのがなめろうの始まりだ。
なめろう発祥の千葉では「なめろうは千回叩くとうまい。魚の原型をとどめていないものが一般的だ」とテレビで言っていた。
運気がうなぎ上りするように、うなぎを食べる。関東は切腹を連想させる腹開きは避け、関西では商人が腹を割って話せるように腹開きが好まれる。どの開き方だって、うなぎはうまい。この世の真理だ。
体の熱をとる冬瓜は冷たい吸い物に。紅白の串をあしらって完成。
これで今年四回目のおせち。作れば作るほど、学べば学ぶほどおせちのクオリティが上がっていく。年末のおせち本番にはどんなおせちを作ろうか。今から妄想が止まらない。
過去のおせち作りはこちら。