クレームツリーの作成支援について「サマリア」
8月21日にリリースした、特許文書の読解アシスタントサービス「サマリア」の「クレームツリー」機能について紹介したいと思います。
なお、「サマリア」は特許公報などの特許文書の読解を効率的に行うためのAIアシスタント・サービスです。サービスは以下のURLより、右上の「お申し込み」ボタンから無料でアカウント登録し、ご利用いただくことができます。是非、ご利用ください。
クレームツリー機能について
「クレームツリー」は、特許庁への手続き等の際に正式に用いられる用語ではありません。「クレームツリー」とは、特許の「特許請求の範囲」の各請求項の特徴部分を簡潔に記載するとともに、従属関係を整理したものとして用いられる用語です。他の言い方をされている方もいるかもしれません。
「クレームツリー」は、明細書の納品の際、拒絶対応時、クリアランス調査や無効資料調査の際に、対象特許の全体を把握したい場合に作成されるものです。「クレームツリー」は、通常、特許請求の範囲の各請求項を読み込んで作成する必要があるため、ある程度の時間と手間がかかる作業でした。
「サマリア」では、このクレームツリーをAIアシスタントに自動で作成させることができます。サマリアによりどのようなクレームツリーを作成できるのか紹介したいと思います。
ケーススタディ
例えば今回、「特開2001-241635号(ごみ焼却炉の制御方法及び装置)」を対象にクレームツリーを作成してみましょう。この発明は、ごみ焼却炉の制御方法に関するものです。
サマリアでクレームツリーの作成はとても簡単です。特許文書を読み込ませた後、左上の「質問(クイックアシスト)」メニューから「クレームツリー」を選択するだけです。
なお、現在、「クレームツリー」機能は文字数制限があるため、請求項数が多い場合には所定数の請求項数で処理が切り上げられ、すべての請求項に対して処理が実行されない場合があります。
クレームツリーの出力事例
しばらく待つと、AIアシスタントの回答欄にクレームツリーが出力されます。
クレームツリーは、請求項ごとに「ラベル(タグ)」「特徴」「明細書中の
関連段落」を簡潔に記載したものが回答されます。
クレームツリーの表形式ビュー
右上のメニューを選択することにより、表示形式を切り替えることができます。例えば、以下のように「クレームツリー」を表形式のビューで確認することもできます。
Excel、CSV等への出力
出力されたクレームツリーは、Excelなどの表計算ソフトで利用可能な形式で出力することができます。AIアシスタントからの回答結果右下のメニューから以下のように、「クリップボード」「Excel形式で保存」「CSV形式で保存」などを選択することができます。
回答結果のみ取得したい場合には「回答をクリップボードへコピー」を選択します。質問と併せて回答結果を取得したい場合には「質問と回答をクリップボードへコピー」を選択します。
出力形式は、「通常形式(表記なし)」「表形式」の2種類を選択することができます。今回、クレームツリーを表形式で取得したいため、「質問と回答をExcel形式で保存(表形式)」を選択してみましょう。
Excel形式で出力したクレームツリーの事例を以下に記載します。このように作成したクレームツリーは、クライアントへの納品メモ、その他、説明資料等などに利便性よく活用することができます。
外国語文献のクレームツリー作成
クレームツリー機能は、外国の特許文献も対象に利用できる機能です。たとえば、 米国特許についても日本語で簡単にクレームツリーを作成することができます。
従来、外国特許文書の発明内容の把握は場合によっては一日がかりの仕事でしたが、「サマリア」を利用することで短時間でより詳しく、正確に特許明細書の内容を把握することができます。
サマリアは特許文書の読解、理解を支援するための強力な機能を実装していきます。サマリアは、知財に関わるすべての方が気軽に利用できる情報サービスの提供を目指しております。是非、皆様の日常業務にご活用ください。