Jリーグの日に
昔話や思い出話がTLで目に入ったので、わたしもそのようなことをしてみようと思い立ち今これを書いているわけです。
わたしがはじめて桃スタでファジの試合を観たのは、記憶が合っていればかの「開幕戦」すなわち2009年3月、Jリーグ入会後初のホームゲームである甲府戦です。しかし当時幼稚園を出て小学校に入ろうかという年齢の幼児はそんなことは露知らず、芝生席やコンコースで走り回ったような記憶しかございませんので、次の試合に参りましょう。
誰にでも記憶に残る試合というものがあります。それは例えばタイトルや昇降格に直接関係しない、なんでもない試合であってもです。
2013年ホーム福岡戦。わたしが父に連れられ初めて行ったナイトゲームのことが今も脳裏に焼き付いています。コンコースから暗いゲートをくぐりスタンドに出ると、目の前に広がる照明で明るく照らされたピッチ。そして逆に薄暗いスタンドは、それ自体が熱を帯びているように感じられました。
この試合はひとつ見どころがございました。PKです。石原選手が外しましたが、相手GKの反則があってやり直しになり荒田選手が蹴ったというシーンでした。これが果たして入ったかどうか、そして試合結果さえわたしの記憶にはございませんが、その瞬間スタジアムを包む異様な熱狂を全身で感じたのは覚えています。わたしが小学5年生の頃の話でした。
月日が経ち、中高生の間もわたしはスタジアムに通い続けました。途中観戦場所をメインスタンドからGATE10に移したわたしは時には声が枯れるまで叫び、足がつるまで跳び、数千人と一体になれる90分にいつしか魅了されていました。特に高校生になってからは、長い中断期間の前まではほぼ毎試合Cスタへ自転車を飛ばしました。
昨年は当時の社会情勢とは関係なくちょうど受験を控えシーズンパスを更新しなかったわたしは、終に開幕戦の一試合しか行けなかったわけです。
そして今年の三月、その受験を終え高校を卒業したわたしは一年ぶりにCスタを訪れました。一方愛するクラブは12年以上もJ2を卒業出来ずいるわけですが… さて選手の声とホイッスルの他には、太鼓にリードされ手とハリセンを叩く音だけが響いていました。静かなスタジアムはどこか物足りないものでした。
かつての渦巻く熱を''狂気''と表現した先人もいたでしょうか。わたしはこのスポーツの経験もなく戦術マニアでもありませんから、試合そのものというよりスタジアムの熱気や一体感に時間やお金を費やしてきたのかもしれません。そんなことに気付いた、いつもより長い90分でありました。
わたしが好きだった週末が戻ってくるのはまだ先のことかもしれません。それが一瞬でも早くなることを願いながら、このあたりで筆を置くことといたしましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。