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夢の舞台へ
小笠原慎之介選手が、中日からポスティングシステムを利用して米大リーグ・ナショナルズへ移籍することになりました。交渉期限ギリギリ。まさに「ブザービーター」。わたしは決まると信じていたので、周りのファンに聞かれたときはいつも「決まりますよ!」と答えていました。小笠原選手の夢であったメジャーリーグの舞台。有言実行、見事に夢への扉を開きました。大好きな選手がドラゴンズを離れることはさみしいですが、慎ちゃん、おめでとう!
2015年夏の甲子園の優勝投手。そしてその年のドラフト1位指名選手。2016年9月4日巨人戦(東京ドーム)でプロ初勝利。その日は代表インタビューアーを務めたのも懐かしい思い出。オフには報道陣を引き連れて一緒にコメダ珈琲へ(あのコメダも2月末で閉店…寂しい)。小笠原選手の明るい笑顔の周りには、自然に人が集まっていました。
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一方で2018年のオフ、食事をした際に教えてもらった話です。開幕投手を務めたその年、左肩の状態が思わしくありませんでした。ある日、横浜スタジアムでのDeNA戦でのこと。とにかく左肩が痛い。でも、自分は開幕投手であり、先発登板のために中6日ももらっている。投げないなんていう選択肢は「僕にはない」。試合前でさえほとんどキャッチボールを行わず、マウンドに向かいました。そして、好投。数年前、小笠原選手にその話を向けると「自分の体のことを考えたら、今は回避させてもらったかもしれませんね」と笑っていましたが、笑顔と熱い心を持ち合わせている男です。
その場に合わせた立ち居振る舞いができることも、わたしが彼に惹かれる理由のひとつ。小笠原選手がまだ18歳だった春季キャンプ、読谷村の小学校で児童と一緒に給食を楽しむイベントがありました。わたしは何度もこのイベントを取材していますが、小笠原選手ほど笑顔で、子どもたちに積極的に話しかけ、交流することができるルーキーを見たことがありません。多くの選手は照れがあったり、どうかかわったらいいのか悩むものですが、小笠原選手は一緒に楽しんでいました。10歳下の妹がいることももちろん大きいのですが、それでも小笠原選手の立ち居振る舞いには「スター性」を感じるに十分でした。
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思い出話は尽きません。小笠原選手とは高校時代、夏の甲子園決勝で対戦し、後にドラゴンズで同じユニホームを着る巡り合わせとなった郡司裕也選手。中日ではなかなか出場機会に恵まれず、2023年6月に日本ハムへの移籍が決まりました。その日の練習中のことです。一塁側ファウルグラウンドで、小笠原選手とわたしは結局1時間くらい話し込みました。わたしは郡司選手が好きなのでかなり複雑な心境のまま、彼とは同い年の小笠原選手に話しかけました。話込んだきっかけはわたしの「慎ちゃん、郡司クンはキャッチャーとしては厳しかったのかな? やっぱり肩は弱かったの?」という質問でした。慶大時代から「肩が弱い」というような評価になり、ファンの間でもそういう目で見られ、実際に今でもテレビゲームの世界では「肩・D」だったりします。わたしにはわからないんです。その真偽。なので、バッテリーを組んだこともある小笠原選手に聞いてみたのです。「大澤さん、めちゃくちゃいい質問しますね」から始まった約1時間。細かいことまで書ききれませんが、小笠原選手が言っていたのは「確かに肩は平均レベルかもしれない。でも、ボールの握り替えやキャッチングの練習で、いくらでも盗塁阻止の可能性は上がるはず。でも、そこまで突き詰めるチャンスがなく、打撃を活かすために内野をやったり、外野をやったり。郡司、キャッチャーできますよ。あと、使えばきっと打ちます」と、プロの見解を教えてくれました。あと、よく覚えているのは「先入観を持って見られると、それを覆すのはとんでもなく難しい」という話。郡司選手はその意味でも、移籍というチャンスをしっかり掴んだのでした。
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そして2024年、セ・パ交流戦で「郡司は打つ」というその見解を、自らのピッチングで証明することになってしまいました(笑い)。
ずっと憧れてきたメジャーリーグ。自らの足で着実に一歩一歩進み、自らの手でついにその夢への扉を開けました。寂しさ1パーセント、応援する気持ち99パーセント。頑張れ、BIG-COWBOY。
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あ、ホームラン見たかったなぁ〜!