「昔も、そして今も自分に自信があるわけじゃない」manamiさん(ファッションインスタグラマー)
𝗺𝗮𝗻𝗮ꕀ(@ma_anmi) • Instagram写真と動画
まなみ 私は三姉妹の真ん中で、小さいころからずっと親にも先生にも「マイペースだね」って言われてたの。子どもの頃から、両親にもあまり制限されずに生きてきた気がする。それで、自分の世界みたいなのを作り上げていったのかな。今も昔も、自分の中で決めたルールみたいなものがあって、自分で決めたらそれを壊しちゃいけない、そこから外れたらいけないってなんとなくだけど思ってる。真面目で面白みのない人間だよ(笑)、私。
小学生の頃から、ファッションは好きだったの。親が服を選んでくれるんだけど、それを気に入らなくて自分で選びたいとか、同じ服ばかり着るとか。高校生くらいになると、CUTiEやZipperみたいなストリート系から、CanCamみたいなお姉さん系、ギャル系までいろんなファッション誌を読んで、自分の好きなものだけあちこちから取り入れてコーディネートを組んだりするようになったんだけど、この頃は軸が定まらなかったというか、自分を見つけたかったのかもしれない。
高校生の頃の私は部活とか何かにすごく夢中になったりすることもなかったし、自分のことを「大した人間じゃない」って思っていたんだよね。
昔も、そして今も自分に自信があるわけじゃない
――高校生くらいだと、「まなみちゃん、めちゃ可愛いよね」みたいに周りから言われることもあったでしょ?
まなみ ……う~ん、そういう風に言ってもらうこともときにはあったけど、だからといって自信が持てるようになるわけではなかった。スタイルがいいわけでもないし、左右の目の大きさが違うとか、笑い方が変とか、そういうの全部が自信が持てないひとつひとつの要因になってる。
まなみ 大学に進学するときは、資格が取れて食いっぱぐれない学校に行きたいと思っていたの。それで関東にある医療系の大学を選んだんだよね。
――大学時代は特に雑誌の読モはやっていなかったんだよね。じゃあ『steady.』に応募してきてくれたのが、メディアに出る最初のきっかけだったんだね。
――頭の中のどこかに、こういうメディアに出ることをやってみたいなという気持ちは持っていたの?
まなみ あったと思う。認められたいとか、ファッションが好きな気持ちを共有したいっていう気持ちがあった。当時、『steady.』は25歳くらいの働く女性に向けていたから、まさに世代ど真ん中だったの。でも募集しているのを見て、何日かすごく悩んだ。職場の人にバレたら嫌だなとか、私が行ってもいいのかなとか。だけど、このチャンスを逃したらいけないような気がして、写真を撮って送りました。
派手な世界に憧れはある(笑)。でも私はそこの住人じゃない気がする
まなみ そういう世界に憧れがないわけではない(笑)。でもやっぱり、それも自分の中のルールなのかな。そっちに行っちゃいけない、みたいな感じなのかな。大きく外れたら戻れなくなるんじゃないかって。そういう華やかな世界はいいなと思うし、憧れる。でもなんか、自分はそこの住人じゃない気がするんだ。
私は、現状に満足できるタイプなんだよね。今も、適度に発信できる場所もあるし、必要としてくれる人もいるし。そして職場でももちろん、必要としてもらったり、感謝されたりして、わりと満たされてるのかな。
――今もインスタで発信をしつつ、ずっとやってきた医療のお仕事もやっているわけじゃない? インフルエンサーとして活動できるレベルのフォロワーがいるのに、医療職もやめないところがまなみちゃんらしいと私は思ったの。
まなみ そうそう、それ、他の人からもすごく言われる! じゃあ、そういうところがあるのが私なのかな。自分の中で、医療の仕事はバランスを取ってくれているものの一つかなっていう風にも思う。インスタを通したファッションの仕事だけだと、金銭的にも不安定だったりもするから、安定した土台みたいなのがあるっていうのが、自分としても安心感があって、仕事を辞めるつもりはないの。
――患者さんはおじいさんやおばあさんが多いんだよね? その人たちは、まなみちゃんのこと、「あんた美人だね」とか言うかもしれないけど、ファッション系のインフルエンサーなんですよなんてことは知らないわけじゃない? 仕事の時にはユニフォームを着てるわけだし。
まなみ そういうのもいいのかも。インスタ上の私を知らない人と純粋に、人間対人間で向き合える。
――インフルエンサーとなった後、元の仕事を辞めて100%インフルエンサーとしての仕事に全振りしてしまう人も多い中で、まなみちゃんの生き方は地に足がついているよね。
まなみ そうだね。地に足つけていないと不安なのかも。もともとの真面目な優等生な自分がどこかにいないと。
――まなみちゃんって情緒が安定しているよね。メンタルのバランスを崩しやすい人もいると思うんだけど。
まなみ どっちかっていうと、それこそマイペースで淡々とこなすタイプかな。メンタルが乱れて、自分の気分とかがグラグラするのがすごく嫌なの。乱れそうなときは、別のことをして気持ちを落ち着けたりするかも。いつも穏やかに過ごしていたい。
インスタを始めて、フォロワーの反応に答えるのが面白くなった
――インスタグラマーになったのって、結婚して子どもも生まれたあとだったよね?
まなみ そうそう。上の息子が生まれたあとかな。最初は息子の成長記録としてインスタを始めたの。地元の友達がインスタを使い始めてて、私も面白そうって使うようになったんだけど、息子とお出かけしたことを上げていたんだよね。そのうちに、何か可愛い洋服を買ったときに載せてみたら、反応がすごくあったの。じゃあ、今度これを買ったからこの服を着て写真撮って載せてみようかなって繰り返していった感じ。
――まなみちゃんのこれまでやってきた医療のお仕事とは、フォロワーの反応を見ながら数字を意識して伸ばしていくインスタの活動って、全然かけ離れているじゃない? でも、まなみちゃんは、セルフプロデュースをしながら数値を伸ばしていくのが上手だったんだね。
まなみ 今のインスタのアルゴリズムとかはもう全然わからないんだけど、その頃は単純だったのかも。こうしたらこういう反応があるというセオリーが見えると楽しくなって、もっとどんどんやってみようってなったかな。
まなみ もともと、周りからの目はけっこう気にするタイプで、「こういうことを求められているな」っていうのはわりと敏感に感じ取るほうなの。だから需要に合わせて自分の投稿を考えてきたのかもしれない。まず、私の身長が小柄だから同じように小柄な人に向ける内容にして、あとは自分と同じでママの人が多いから、あまり高くないプチプラで手に入りやすいものを選んで、とか。UNIQLOのアイテムを使ったコーデの反応が良かったから、またUNIQLOやGUを着てみたりとかね。フォロワーの人たちが、何を私に求めているのかを考えながら投稿してきたの。フォロワー層は、30代、40代のママさんが多くて、半分くらいは小柄な人だと思う。あとはファッションの系統が好きって言ってくれる人かな。
家族が私のことをちゃんと見てくれているからこそ、変なことはできないよね(笑)
――まなみちゃんがプチ有名人になって、実際の周りにいる人、たとえばママ友みたいな人はまなみちゃんのことをどういう風に思っているのかな。
まなみ ママ友はね、私がインスタをやっているのを知っている人もいるし、知らない人もいるし、全然、特別枠扱いされるなんてことはないよ。インスタの話題になったりもしないし、お互いに普通に接している。
――旦那さんは、まなみちゃんが有名になってきたことにどういう反応なの?
まなみ 旦那さんの基本スタンスは、私のことを心配してる(笑)。かといって干渉はしてこないし、「やりたいならやれば」という感じで、お出かけのときに撮影してくれたりはするよ(笑)。この間、初めて水着の投稿をしたんだけど、その投稿について事前に話したら、すごく心配してた。「短パンでシャツを羽織っているし、40過ぎのおばさんのチラ見せなんて誰もなんとも思わないよ(笑)」って私は言ったんだけど、旦那さんは過保護に心配している。私のことを大切にしてくれている人だと思うし、心配されていると思うとよけいに変なことはできないよね。息子も娘も私がインスタをやっていることを知っていて、「今日のコーデは変だね、今日は可愛いね」とか言ってくるの。ママが可愛く着こなそうとしているのを見て、喜んでくれてるみたい。娘は「太ったね」とかも言ってくるんだけどね(笑)。うん、私の軸は、家族かもね。地に足をつけて生きようと思えるのは、家族のおかげもある。
仕事を選ぶ基準はフォロワーさんを裏切らないこと
――最近は、ブランドとのコラボアイテムを作ったりもしているよね。そういう仕事はどういうふうにやっているの?
まなみ コラボはね、お話しが来て、スケジュールや内容が大丈夫そうだったら引き受けてる。今は主に小柄ブランドさん、特にST.ROONEYさんっていうブランドと定期的にコラボすることが多いかな。ST.ROONEYさんとのコラボは、しっかり打ち合わせをして、私が小柄な人に似合うようにこうしたいということをきちんと反映できるの。「コラボ商品を作りましょう」と言われても、形がけっこう決まっていて、ほぼ口出しができないメーカーもあったりするんだけど、そういうのはちょっと違うなと思っている。自分のフォロワーさんを裏切らない、というと変だけど、責任を持って自分がいいと思える商品を作りたいと考えて、引き受けたりしてるかな。
――自分の名前でやっているブランドもあるでしょ?
まなみ novelmeeはセレクトショップなの。私がセレクトして、自分のショップで売っているんだけど、もっとやってみたいと思っていることはいろいろあって、試行錯誤しながらやっているところ。いつかは、自分でお洋服をデザインして売っていくということもやってみたいとは思っているんだけど…、単価やロット数とかを考えると難しい課題もあるなと思ったりもしてる。
――これからどういうことをしていきたいとか、どういう風に生きていきたいとか、考えていることはある?
まなみ これからは、とりあえず流れに身を任せるよ。
――これまでも計画的にいろいろやってきたわけじゃないのかな? 絶対にコラボブランドをやろうとか、インスタを通してこういう仕事をやってみたいとか、そういう明確な目標を持ってたりとかはそんなになかった? お声がかかったときに「じゃあやってみようかな」くらいの感じで。
まなみ そうだね。今までもそうやってきたんだけど、今も特別な目標は立てないで、目の前のことを1個ずつちゃんとやっていこうかな。ちゃんとやって、それに結果がついてきたらいいな、と思ってるよ。
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