アリ騒動2

「母親がアリアースを買ってきてくれて、シューッと噴いたらアリは出てこなくなった☆」

前回のアリ騒動の記事より抜粋(☆は蛇足)

嘘をついた。

アリがいる。まだいる。この目で見た。まさか1を公開して1ヶ月もたたないうちに続編をお届けすることになろうとは。

アリアースはその場でアリを退治することはできるが、根本を絶つことはできない。よって、私と母はアリに巣まで運ばせて毒殺する例のアレを二階の各部屋に設置して様子を見ていた。そういう話だった。

正直この方法は私はちょっと嫌だった。アリに巣まで運ばせるということは、アリの大好物のフェロモンか何かが出ているということだろう。そこに一度は集まってくる。私の部屋にアリの大群が一瞬でも出来上がるかと思うとゾッとする。見かけたら雄叫びを上げて掃除機を向けてしまいそうだ。

が、私の想像に反してアリ罠は綺麗なもんだった。かたわらにアリの死骸が転がるということもなく、通り過ぎるでもなく、ただただ日常のハウスダストが積もり積もっていくばかり。

私の部屋ばかりではなく、定期的に巡回する二階の各部屋もアリ罠は綺麗なもんだった。

「アリ罠」は。

両親の寝室を中心に、アリは活発に活動していた。だいたい日に4匹くらいを見かける。その度にアリアースで殲滅しているのに、奴らは図々しくベッドの上まで歩く。こんなもの無意識に背中に敷いて寝るなんて冗談じゃない!!

ついに今朝、廊下に黒い塊を見つけた。糸くずを丸めたようなつまめるサイズの一見するとゴミだが、前述したとおりこういうときの私の勘は冴え渡りすぎているため、すぐにピンときて覗き込んだ。

何かに群がる……アリの塊!!!!

きえぇええええええい!!きえええええええええええええええいいいいいい!!!!

さすかに今回は黙っていられず「うぇいっ」と言って飛び退いたが、下のリビングにいる家族の耳には届いていなかったようだ。すぐに部屋へ取って返し、アリアースを持ってきて噴射する。噴射が終わるまで継続的に「ええぃっうぅっうわぁいぇいえい」と声を出していたがやはり誰も来てくれなかった。

余談であるが、私は殺したあとのアリを家族に見せしめるまで放置するという悪癖がある。だって自分で見つけて自分一人で処理したら深刻度が伝わらないじゃないか。ここにどれだけのおぞましいアリがいて、気持ち悪いことになっていたか理解してもらいたい。だからアリアースを噴いたあとは必ず掃除機で吸わずに母に報告をする。すると母が「ハア」と言って、掃除機を持ってきて吸い取る。その周りをへばりついて「ほら、ここ!ここも!」といちいち指さして知らせるのだ。

母は基本的にアリを嫌がってはいるものの、本腰を入れてどうにかしようとは考えていないので「なんだろうね〜」と口で言うだけだ。そうじゃない。もっと家族一丸となって真剣にアリと向き合うべきだ。

アリが這う家なんて不潔なイメージしかこびりつかないんだから。普段からマメに掃除しているのに悔しくないのかって聞きたい。

私とアリ。戦いの決着は、まだ先になりそうだ。

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