カモメ

※今回から数回はサッカーに関係のないお話となります。


10年前に東日本を襲った未曾有の大震災があった事はみなさんご存知の通りで。我が栃木県は津波の被害こそありませんでしたが、地震によって亡くなられた方もおりましたし、住居や店舗での沢山の被害もありました。また、震災後に不便な生活を強いられたり、不安を感じたり、色々苦労した方も多かったと思います。

その震災後、自分は足繁く宮城県の石巻、女川、南三陸を訪れるようになりました(一度だけお片づけのお手伝いもボランティアで参加しました)。

それは被災した「今」の土地を訪れて感じることや教えられる事がたくさんある事。現地のものを食べたり飲んだり買い物したりすることで応援できるということ。そしてその楽しさをSNSにあげる事で、読んだ人が「復興してるんだな」とか、「素敵な場所だな」とか、「美味しそうだな」、「楽しそうだな」と感じてもらえれば嬉しいし、その事自体も微力ながら応援に繋がるのではないかと思うからです。


長渕剛さんが2012年に発売した「STAY ALIVE」というアルバムの中に「カモメ」という歌があります。

大人の事情でここに歌詞を載せられないので,歌詞は公式を参照ください↓

自分には縁もゆかりもない(お隣の相馬市に遠い親戚はおりますが)福島県の浪江町。

福島県ではサッカーが縁でいわきにも訪れたこともあります。いわきFCサポーターさんと交流し、いわきのうまい魚、酒、食事や温泉や風景。どれも素晴らしく、訪れるべきはこういう場所なんだと再認識させられました。いわきも頑張って復興しつつあります。

そのいわきより北に位置する浪江町。

若い方にはTOKIOのDASH村があった場所といえばわかりやすいでしょうか。震災、そして津波、さらに原発事故と、大変な被害に遭われた土地ですし、今でも立ち入りできるのはほんのわずかの地区のみで、町の殆ど(およそ8割)は、今もなお立ち入り禁止区域となっています。

住民の方達は風評被害も含めて、大変なご苦労と苦しみを今もなお強いられている場所。

長渕さんの「カモメ」を聴くたびに、そんな場所へいつか行きたいという気持ちを募らせていました。


ある日、友人である造り酒屋の社長がこんな話をしました。

「福島県の浪江の蔵で酒造ってた大学時代の先輩がいてね。例の震災で蔵が流され、さらに原発の事故で波江に戻れなくなってさ。その後山形に移り住んで酒造り再開したんだけど、今年になって浪江での酒造り再開できるようになったんだよ。近いうちに挨拶に行きたいんだ。」と。

「いつか浪江に行って現地で飲食したり、風景や観光を楽しむ事で応援したい。」と考えてた矢先のこと。

ただ、今の時期はサッカーのシーズン中で、栃木SCサポーターである自分が旅に行くとすれば対戦相手のアウェイの地を訪れるのが主で、今週末はアウェイ千葉戦。

ただ、今回は個人的な事情により(Facebookには理由を記載したので、友人たちはわかってると思いますが、つまりそういう個人的などうでもいい理由で)、千葉には行かないことを決めてました。

これは、タイミング的にも今かなと。友人にもそう話したところ、彼もまた今週末であれば行けると。

という事で今週末に浪江に行くこと決めました。試合は勿論DAZNで応援しますよ。


あの長渕さんが「原発さえなければ」「帰りたいなぁ 生まれた場所へ 帰りたいなぁ」と歌ったあの場所の「今」を見て何を感じるか。

そして、被災され、10年越しに浪江に戻って酒造りを再開された方の頑張る姿を見て何を感じるか。


余談ですが、自分は地酒というのはその土地に行ってその土地の空気を吸い、その土地の食べ物と一緒に飲むのが一番の飲み方だと考えています。その土地で愛され、育まれた「地酒」というのはその土地だからこそのものだと思うからです。

だから、その方のお酒をもし飲む事ができるなら、浪江の食べ物や浪江の空気と共に楽しみたいなと。それを例えば、SNSにあげることで、どれだけ素晴らしい場所なのかを少なくとも仲間には伝える事ができると思うし、それがきっかけで仲間たちもまた浪江の町に訪れる事になればほんの僅かでも応援に繋がるかなと。

そんな思いでいます。

旅の様子はまた旅日記的に投稿したいと思います。

どんな旅になるかなぁ。


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