劇場版じゃないパトレイバーのはなし

どうも、社畜なシャチ系お姉さん、音駒サリナです。
前記事で劇場版パトレイバーについて書いたばかりですが、やはり少し語り足りないのでテレビ版についても書いて行こうと思います。

パトレイバーはメディアにより世界線が異なる、と書きましたが、恐らくは以下のようになっているのではないかと思います。
①旧OVA（アーリーデイズ）→劇場版１
②TV版→新OVA→劇場版３（？）→劇場版２→TNGパトレイバー（実写版）
③コミックス版（独立）
④小説版（独立）
ゲームソフトが何本か出ていますが、大まかには②の世界線をベースにしているのではないかな。

さて、作品の世界設定については前記事でも触れましたが、テレビ版の話に臨むにあたり、もう１つ説明しておかなければならない重要な舞台設定があります。
それは主人公達の職場となる、特車二課の特殊な立地条件です。

東京湾の埋め立てにより土地を確保するという計画の都合上、レイバーの配備は湾岸の工事現場に集中しています。
また、特車二課はレイバー犯罪が起きた際に迅速に駆け付けられる場所に位置していなければなりません。
つまりどういう事かと言うと、今現在彼らが日常生活し、業務をこなしているのは海の上であり、埋め立て地にほぼ監禁…いや単身赴任という状況になります。
この立地には様々な問題があり、それに起因して数々の事件が巻き起こります。
主にギャグ回で。

劇場版パトレイバーはハードなアクションであったり、シリアスな内容の物が多いです。
対してテレビ版はもちろんシリアスなストーリーもあるのですが、マジでくだらないギャグ回も多く、その幅の広い話のレパートリーが魅力の１つかなと思います。
ちなみにサリナの好きなエピソードを５本選べと言われたらほぼギャグ回で埋まります。

他に好きな所をあげていくとキリが無いのですが、敢えてもう１つだけ挙げるとすればバディものとしての関係性です。

ここで言うバディの関係性とは２つあって、１つは主役である泉野明と篠原遊馬の２人です。
この２人の距離感がとにかく抜群に良くて、仲がいいだけではなく、たまに恋人同士のような痴話喧嘩もするけど、かと言って恋人同士のような距離感には無い。
なんとなく「こいつらくっつくんだろーな」みたいな空気はあるけど、最後までそこにはいかない。
でもお互いがお互いをちゃんと理解していて、信頼関係が強く結ばれているのが見ていて分かる。
めちゃくちゃ尊いです。

もう１つは泉野明と乗機98式AVイングラム『アルフォンス』の関係性です。
泉野明という女の子はロボットがとにかく好きな子で、乗機のイングラムに『アルフォンス』と愛称をつけ可愛がっています。
対するアルフォンスはもちろんロボットなので物言わぬ存在なのですが、操縦データの蓄積で操縦者の癖に最適化されていくという特性を持っています。
野明は暇があればパイロットシートに座り、機体にワックスをかけ、整備員と相談しながら操縦レバーのストロークなど細かく自分に合わせてチューニングを繰り返し、最終的には、格上の性能のレイバーなども制していく事になります。
「なんでそんなに可愛がってる98式でそんな無茶ができる？」と言われると「こんだけ乗ってりゃ出来る事と出来ない事くらい分かります」と答える。
操縦技能が高いというのもあるかもしれませんが、機体を信頼しているのです。

泉野明を中心にこの２重のバディ関係が展開していく所がとてもよいのです。
ただし、先ほども書きましたが、サリナが好きなのはほぼギャグエピソードであり、そこにはレイバーはほとんど出てきませんが…
それはそれ。

余談ですが、最新作である実写版ことTNGパトレイバーはこのテレビ版時系列の約20年後の話となっています。
だいたいの実写化作品がそうであるように、この作品も実写という事で賛否はいろいろと言われていますが、サリナは特に印象に残っているところがあります。
確かパンフレットか何かに書いてあったかと思うのですが、「この映画を作るにあたって、まず何を最初にやったか？」という問いに対して、監督がこう言ってたんですね。
「上海亭（しゃんはいてい）のメニュー表をまず作りました」と。
上海亭というのはパトレイバーのギャグ回を語る上で無くてはならない飲食店であり、それが20年後も現存している事にも驚きですが、そのメニューを作るのにまず予算を割いたという監督を見て、「あぁ、この人なら大丈夫だろうきっと」と思ったのがとても記憶に残っています。

何が大丈夫かと言うと、「この人ならきっと３回目の『アレ』をやる」と思ったという事です。
その予想は当たるのですが、一緒に観に行った友人曰くその予告が流れた瞬間、サリナは今まで友人各位が見た事も無いような笑顔をしていたそうです。