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悲しい出来事

あれからもうすぐ1ヶ月経つので、もういいかな、話しても。
私は地元に帰った時、昔からよく行っていた馴染みのソフトクリーム屋さんに娘を2日連続で連れていった。2日目にはアイスを食べながら、帰り道、目の前にある、昔からよく行って遊んでいた公園に寄った。そこで地元のカラスに襲われた。

いきなり私の頭をカラスの足が掴み、流血した。
私は咄嗟に娘のソフトクリームを狙っているに違いないと思い込み娘を守るために構えた。
その時、カラスと目が合った。
アイツも私の目を睨んでいた。その目は憎しみに溢れていた。私は完全に戦う姿勢で腕を振り回したと思う。次の瞬間、カラスが私に向かってきた。
娘を攻撃されないよう、娘の頭を覆い走り去ろうとアイツに背を向けた瞬間、アイツは私の頭を再び攻撃した。嘴ではなく、足でだった。
「ぎゃー」
そう言って逃げ走った。娘をかばいながら今度は必死に逃げた。アイツは追いかけて来たが、私たちは逃げ切った。

アイツと目が合った時、木刀でアイツに一撃を喰らわしてやりたいと思った。すると、そう思ったことがアイツに伝わったようだった。だから襲ってきたに違いない。それにしてもあの目、あれは深い恨みを持った目だった。何が過去にあったのかは知らないが、私たち親子を襲うのはお門違いも甚だしい。
しかもだ、私は地元をこよなく愛し、地元のことを聞かれたら、勝手に観光大使になったかのように喜び勇んで地元を紹介してきた。このソフトクリーム屋も、公園も、私のお気に入りの場所なのに。なんなんだこの仕打ちは。

ショックだよ…。

出会いが違っていたら仲良くなれていたかもしれないのに。アンタがネズミか、ヘビか昆虫を掴んだかもしれない爪、洗ってないその爪で私の頭皮をえぐったんだよ。汚いよ。
無意識に走りながら、持っていた除菌シートで何度も傷口を拭いたさ。私の頭皮にネズミかヘビか昆虫のバイキンが入り込んだかもしれないんだよ。どうしてくれんのさ。

ダブルショックだよ…。

帰宅後、息子に「よりにもよって地元のカラスにね。ははは」って笑われた。
自分は地元を離れた人間なんだと自覚した。

この夏の悲しい出来事。