心の洗濯
久しぶりに仕事を休んでヘルパーさんと小樽まで行ってきた。輝いた青い海を見たかったからだ。スーパーにも行かずに私は家といちご会の往復をしていた。出かけないことには相当我慢ができるが、今回限りは心がイライラしてきてヘルパーさんに当たり散らさないかと気を付けてきた。世界中の人たちは今このような心境で生きているのだろう。
久しぶりに化粧をした
手が使えたなら、携帯やパソコンを使い気晴らしができるのだが、今はもうできない。でも今日はヘルパーさんに久しぶりに化粧をしていただき、嬉しかった。合コンでも行きたいなと思った。(嘘です。)私は昔合コンに一回行ったことがある。会社の人は「障がい者の人がたくさん来ますが、傷ついて帰ります。だからあなたも来ない方がいいですよ。」としつこく言われた。私は「どうせ私に言葉をかけてくださる人はいないでしょう。それでもいいんです。行ってみることに価値があるのです。誰一人として話しかけてくださらなくても、あなたを訴えませんから。行かせてください。」と頼んだ。そして許してくださり、50代の合コンに行ってきた。秘書に「小山内さん、結婚する気ないんでしょ。行かないほうがいいわよ。話しかけられたらどうするの?」と言われた。
合コンに行った思い出
合コンの場は、男女が目をギラギラさせて相手を探していた。(面白いな。これが合コンというものか。)と私は心が弾んできた。みんなに挨拶を1人1人に言ったが、誰一人として私を無視する人はいなかった。みんな目を見て話しかけてくださった。それだけで私は満足していた。ところが、一人の男性が「私あなたの本を読みました。お付き合いしてくれませんか?」と言われ、私は「そうですか。ありがとうございます。でも私は結婚する気がないのでごめんなさい。」と言った。彼は目をまん丸くし、「ではあなたなんでここにいるのですか?結婚相手を探しにきたんでしょ。」と言われた。とてもとても苦い思い出になった。
エメラルドグリーンの海に和んだ
海は太陽にあたりエメラルドグリーンに輝いていた。心がゆったりとし、これで3か月豊かに生きていけるかもしれないと思った。しかし、小樽の街に行くと歩いている人が誰もいなく映画のロケ地を見ているようだった。寂しい思いがよぎった。いつも観光客でにぎわっていたお店のドアは全て閉まっていた。
トイレはどうしたら良いのか心配になってきた。大きなコンビニに行くと障がい者トイレがあった。胸をなでおろした。障がい者トイレもあり、ヘルパーさんは除菌シートで便座や壁や床など全て拭いてくださった。頼もしい人だ。安心してトイレに行けたので、アイスクリームを買い一緒に食べた。コンビニに並んでいるお菓子や飲み物は全て輝いて見え、なんでも買いたくなった。でも早く帰らないといけないので、我慢して帰ってきた。時間があったなら無駄遣いできたのだろう。
帰り道ログハウスのモデル住宅があり立ち寄った。すごく美しくて中に入ると落ち着いたこんな家を建てたいなと思ってしまった。最後の人生こんな家で過ごしてみたいと強く思った。でも引っ越しが大変だ。もう少し、体にエネルギーがあったなら、このような家に住み、たまにはみんなを招きパーティーを行いたい。楽しい一日だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?