「嫌われる勇気」
◆はじめに◆
第165号(2024年6月26日)にキャリコン先駆者大先輩、大師匠の浅川さんからバトンを引き継ぎました村尾修(むらお おさむ)です。前回から1年と3カ月ぶりの投稿になります。歳を取ったせいかもしれませんが時間が経つのがとても早く感じますね。
さて、今回は第166号の「ぷろぴのひろば」2回目の投稿にお付き合いください。
◆嫌われる勇気◆
私は56歳の役職定年の際にグループ会社の派遣会社に出向となり、そのまま60歳の定年退職を経て雇用延長社員として派遣会社の派遣元責任者、営業兼スタッフとして勤務しております。派遣会社と言っても親会社で60歳定年を迎え雇用延長制度を利用した人を受け入れて、原則は今まで働いていた部署、部門に派遣社員として送り込む仕事をしています。
そんな中、雇用延長社員の愚痴として多いのは、「昨日までとやっている仕事は変わらないのに給料が半分以下となった」「住民税は去年と同じだけ引かれて、手取りはとんでもない。。。」等々です。
「愚痴」と表現したのは、本人は一旦定年で退職し、給料が下がる条件の会社に再就職するのと同じであると理解している。だから、意思確認の際にサインしハンコも押しているからです。
特に、現役時代は承認権限や部下を持っていた管理職経験者などは役割が無くなった分、給料が減ったと説明もできるし、わかりやすい。しかし、現役時代から承認権限もなく部下もいなく担当者のまま定年を迎えた人などは全く同じ仕事で給料だけが下がる。こういう人には説明がとても難しいです。
定年を迎えるまで所謂、「ローパフォーマー」と言われた人が60歳の定年を迎え、雇用延長制度に手を挙げれば、そのまま雇用延長社員として仕事ができるいい制度であると思います。
しかし、厄介なのはその様な「ローパフォーマー」の人を放置していた職場が問題です。
今までは、野放しにしていたのに、派遣社員となった時点から、派遣元に対して、何とかしてしてほしいとクレームが来ます。60歳を過ぎた人は正直言って、人間形成は出来上がっています。これから、派遣先の望むような若手社員の様に育成するのは難しいのが現状です。
この様な「ローパフォーマー」な人と対峙するには、密かに着地点、ゴールを決めて戦略をもって臨んで行かないとなりません。
問題行動を起こすような人は、その行動を指摘し改善も促すことができるが、特に問題行動を起こすわけでもなく、パフォーマンスが低いだけでは懲戒などの方向へもっていくが難しいです。いかにキャリコンとしてスキルを活用し行動変容を起こさせるか?が必要となります。
「嫌われる勇気」を持って本人と対峙し、言いにくいことをきちんとどう伝えるのか?が必要となってきます。過去の経験では自己理解を深める質問やワーク的なことを実施し、結果的に自分に合っているのこの仕事ではないと判断し退職願を持ってきた人もいました。
でも、そのようなケースは稀で、ほとんどのケースはそうは行きません。
しかし、確かなのはその人にとって最善の選択肢を考えてもらう姿勢で取り組むことです。
上目線で対応するのではなく、本人の価値観を大事にしながら未来形で一緒に考えていきましょうとする態度が必要と思います。
◆最後に◆
悩んでいる方に対しては、傾聴スキルで気づきを与えるような質問で行動変容を起こさせるような面談が重要ですし、効果は期待できると思います。
しかし、「ローパフォーマンス」と言われるような人は意外と自己肯定感も高く、自分は間違っていない、きちんとアウトプットを出せていると思っている人が多いのも特徴と思います。その様な人と対峙するには、事実を整理しフラットな気持ちで時には「嫌われる勇気」をもって取り組むことも必要と感じています。
さて次回167号は、ラビットさんことキャリアコンサルタントで活躍されている水野理恵子さんにバトンをお渡しします。
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