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ラフ×ラフの大喜利ソング『考える時間をください』ってどんな曲?
『考える時間をください』を聴いてみよう
テレビプロデューサーの佐久間宣行氏がプロデュースする9人組アイドルグループ「ラフ×ラフ」って知ってますか?
そのラフ×ラフが曲の途中にガチの大喜利をやってしまう『考える時間をください』のミュージックビデオが2023年11月15日に公開。
11月22日には楽曲リリースの予定となっています。
まずはその話題のMVをご覧ください。
(もう見たよーという人も、ぜひもう一度ご覧ください!)
アイドルらしいカラフルでヒラヒラの衣装を纏ったメンバーが笑顔で踊るオープニング、9人が横一列に並んで右手を頭上でフリフリしてから前に差し出すダンスはつい真似したくなるほど可愛いですよね!
頭サビの部分の歌詞は完全に恋愛ソングですが、Aメロでは「満員の観客」や「スポットライト」というアイドルに関連するようなワードが出てきたり、Bメロになると「打席に立って バット振らなきゃ」という野球のフレーズが出てきます。
そして、そこからサビに入る瞬間、この曲の本当の恐ろしさが姿を現します。
ナレーション:「こんな新人アイドルは嫌だ」
なにこれ? 大喜利のお題??
そしてなんでメンバーは牢屋に入ってるの??
この後に聴くサビは、頭サビの部分とは全く違う印象になっているはずです。
答えなきゃいけない~ (大喜利を??)
あなたがその時くれた その言葉に~ (大喜利のお題ってこと?)
難しすぎる大問題~ (お題が?)
急に振られても困りますから~ (大喜利を?)
もうちょっと 考える時間をください!
そうなんです、「考える時間」というのは、なんと大喜利を考える時間だったのです!!
ここから怒涛の大喜利パートが始まります。
野球のアナウンスのようにメンバーがひとりずつ名前を呼ばれ、音楽が止まったタイミングで大喜利の回答を披露していきます。
3人のメンバーが回答して再び歌が始まったと思いきや、またすぐに次のお題が出され大喜利パートが始まり、更に3人のメンバーが回答します。
そして最後は、
もう言うよ 考える時間はいらない!
という一言で落とす、というのがこの曲の構成となっています。
いかがでしたか?
まずこの曲はメロディーとリズムが心地よく、メンバーのアイドルらしい可愛いダンスが楽しめますし、さらに恋愛とアイドルと野球と大喜利の4つの意味が掛かった歌詞も秀逸です。
そしてそこから自然な流れでガチな大喜利が始まり、一気にリアルなお笑いの世界に突入します。
このような手法は佐久間Pが得意とするものであり、例えばNetflixで好評を博した佐久間Pの代表作のひとつである「トークサバイバー」(本格的なドラマの途中で突然エピソードトークバトルが始まる)と同様の構造と言えるかもしれません。
フィクションとノンフィクションを融合させることで、ノンフィクションの面白さを引き立て、より人間の「素」であったり「本音」であったりを引っ張り出す手法なのではないかと私は考えています。
『考える時間をください』が作られた経緯
もう少しお時間を頂けますか?
宜しければ、このユニークな曲が作られた経緯を少し振り返ってみましょう。
2020年3月までテレビ東京で放映されていた「青春高校3年C組」でアイドル活動をしていた日比野芽奈と齋藤有紗を含む5名が佐久間Pにアイドルプロデュースをお願いしたことがきっかけとなり、「佐久間Pアイドルプロデュースプロジェクト」が発足。
2022年夏に大規模なオーディションが開催され、最終的に選ばれた9名が「ラフ×ラフ」を結成し、2023年3月にデビューしました。
オーディションの様子は全てラフ×ラフ 公式YouTubeチャンネルに動画として残っていますが(見始めると面白すぎて沼ですので注意)、最終オーディションにおいて「バラエティ審査」が行われ、そこで参加者はいきなり大喜利をやらされます。
大喜利そのものが分からない参加者が多い中、意外にも面白い回答が続出し、オーディションとは思えない盛り上がりを見せます。
そんなオーディションを経て結成された「ラフ×ラフ」ですから、デビュー後も公式YouTubeチャンネルにおいて当然のように様々な大喜利企画に挑戦してきました。
このオーディションから結成直後の流れの中で、恐らくかなり早い段階から佐久間Pには曲中に大喜利を行う曲の構想があったのではないかと思われます。
佐久間Pはこのアイデアを形にするため、作詞には劇団「シベリア少女鉄道」の代表であり、佐久間Pと長く仕事をしてきた土屋亮一氏(前述の「トークサバイバー」のドラマ部分の脚本も担当しています)を起用、作曲にはデビュー曲「100億点」のミックスからラフ×ラフに関わっている遠藤ナオキ氏を起用し製作されました。
この『考える時間をください』が初めて披露されたのは2023年4月16日の1stワンマンライブでしたが、初披露の瞬間まで事前情報が全くなかったため、当日この曲をライブ会場で体験したファンからは驚きと共に賞賛の声が数多く上がりました。
その1stワンマンライブ終了後、佐久間Pはこの曲への熱い思いを感じさせるこんなポストをしています。
オークラさんやシベリア土屋亮一さん作詞の新曲も披露できて良かった。
— 佐久間宣行 (@nobrock) April 16, 2023
大喜利と組み合わさる曲はどうしてもやりたかったんで、形になって良かったです。大変だろうけど(笑)
変わってるけど来て見て楽しいオリジナルなライブになり始めたと思います。
ぜひ遊びに来てください!
その後この曲はラフ×ラフのライブにおける定番曲となり、ほぼすべてのステージでセットリストに組み込まれ、あらゆる場所で大喜利を披露しています。
(「IDOL RUNWAY COLLECTION 2023」に参加した際にもこの曲を披露し、ランウェイで大喜利を始めた時にはかなりしびれました笑)
『考える時間をください』の楽しみ方
今回ご紹介したミュージックビデオもとても楽しいものに仕上がっていますが、『考える時間をください』の醍醐味が味わえるのはやはりライブです。
当然ながらお題は毎回変わりますし、回答の順番も完全にランダムになっています。
そのため、毎回違った印象の曲になるという新鮮さがありますし、ウケるのか?スベるのか?という緊張感がメンバーだけでなく客席にも漂い、ライブ会場で何度聞いてもハラハラしてしまいます。
なお、ライブでこの曲を披露する際、彼女たちの大喜利の回答が結構な確率で滑るのも事実です。
大喜利修行を積んでいるとはいえ、毎回笑いを取るのは容易ではありません。
誤解を恐れずに言えば、滑ってもいいんです。
ガチの大喜利に追いつめられて捻り出された回答には、彼女たちの人間的な可愛らしさや可笑しさが感じられて、愛さずにはいられなくなります。
(事実、日比野芽奈は世界最大のアイドルフェス TIF2023においてこの曲の大喜利で盛大に大滑りしましたが、その時の「負け顔」が高く評価され、最も輝いていたアイドルとして「夏のシンデレラ」に選ばれてしまうという冗談のような奇跡を起こしています)
また、ライブでこの曲を体験する上で忘れてはならないのが客席への「煽り」です。
大喜利パートにおいてはメンバーが輪になってぐるぐる走り回るのですが、その時にメンバーから客席に「もっと声出せー!」などの煽りをすることが恒例となっており、それに応えて観客も「おい!おい!」と大きな声を出して盛り上げます。
こういった煽りとそれに対するレスポンスや、メンバーの大喜利の回答への反応なども含め、『考える時間をください』は、ステージとフロアが一体となって盛り上げ、作り上げる楽曲となっています。
では最後に、1stワンマンライブで披露された『考える時間をください』のライブ映像をお楽しみください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ここまで読んでくれたあなたは、もうすでに、かなり、ラフ×ラフが好きになっていますよね?笑
12月24日に有明・TFTホールにて3rdワンマンライブが予定されていますので、ぜひ『考える時間をください』をライブで体験して、ラフ×ラフの世界を一緒に楽しみましょう!(詳細はラフ×ラフ オフィシャルサイトをご覧ください)
ラフ×ラフ メンバー X(旧Twitter)アカウント
齋藤有紗 @saito_arisa_
佐々木楓菜 @sasaki_fuuna
高梨結 @yui_takanashi__
永松波留 @nagamatsu_haru
夏目涼風 @natumeryoka
林未梨 @Miri_hayashi
日比野芽奈 @hibino_meina
藤崎未来 @_mikufujisaki_
吉村萌南 @monamin_y