スタートアップからカーブアウトしたスタートアップが資金調達を実施 - メドテリア株式会社の1億円資金調達の背景
はじめに
メドメイン株式会社の代表取締役CEO、そしてメドテリア株式会社の取締役・創業者の飯塚です。
この度、メドテリア株式会社が1億円の資金調達を行いました。
資金調達に関するプレスリリース:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000155363.html
今回の資金調達の経緯は、一般的なスタートアップの資金調達とは少し異なりますので、会社設立の背景や今回の資金調達に至った経緯、そして今後の展開についてこちらでお話ししようと思います。
メドテリア株式会社について
メドテリア株式会社は、医療従事者や医療系学生向けのコミュニケーションクラウド「Medteria」を開発・運営するヘルステックスタートアップです。現在、約4万人の医療従事者や医療系学生の方にご利用いただいており、特に大学では国内の医学部の約70%で利用されています。
元々「Medteria」は、私が創業し代表を務めるメドメイン株式会社の一事業として運営していました。
しかし今回、メドメインからカーブアウトする形で、メドテリア株式会社として分社化し、独立した体制で事業を進めることになりました。
そして、メドテリア株式会社として資金調達を実施しました。
スタートアップからカーブアウトしたスタートアップが資金調達を行なった事例というのはほとんど聞いたことがなく、珍しいケースだと思います。
はじめにお伝えしておきたいこととして、メドメインとメドテリアの両社ともに事業は非常に順調に進んでおり、今回の分社化と資金調達にネガティブな要素は一切なく、100%ポジティブな話になります。
このNoteでは、新たに設立し資金調達を実施したメドテリア株式会社について中心的に書こうと思います。
そして次回、こちらも絶好調なメドメイン株式会社についての話を書く予定です。
メドテリアの成長
メドメイン株式会社では、病理AIクラウド「PidPort」を中心に事業を展開する中で、その医師向けマーケティングツールとして「Medteria」の事業も行ってきました。
創業当時、まだプロトタイプだった「PidPort」と「Medteria」の2つの事業があった状態でメドメインがスタートしました。
メドメインで「PidPort」の販売を進める中で、医療業界ではどの先生の評判が良いか、あるいはどの病院で採用されているかなど、口コミや実績が非常に重要視されることが分かり、Medteriaの医師コミュニティを通じて「PidPort」の利用事例の紹介等を行なっていくため、Medteriaのコミュニティ関連機能の開発を行なってきました。
Medteriaへの資金や人的リソースの大きな投資は行なってきませんでしたが、そうした中でもサービスは大きく成長し、約4万人のユーザーを獲得する規模にまで拡大しました。
この成長に伴い、カスタマーサポートやシステム保守の負担も増大していきました。
メドメインにとって、Medteriaは自社のマーケティングツールという位置づけのプロダクトでした。
そのため、これまではMedteria自体で積極的なマネタイズは進めてきていませんでした。
しかし、サービスがある程度の事業規模に成長したことで、マネタイズを本格的に検討できる段階になりました。
一方で、ディープテックスタートアップのメドメインでは、メインの事業の「PidPort」に引き続き大きな投資を必要としています。
そうした中でMedteriaの組織体制の強化や、マネタイズのための体制構築のために必要な資金やリソースを割り当てるのは難しく、それは今後も続く見込みでした。
分社化の経緯
メドメインにとって、Medteriaのユーザーサポートやシステム保守の負担が増大する一方で、マネタイズのための資金や人的リソースを十分に割り当てることが難しいジレンマがありました。
そこで、この状況を打破し、メドメインにとってはMedteriaに関するコスト負担の軽減、Medteriaにとっては独自に成長資金を獲得して大きく成長するために、メドメイン株式会社を分割型分割して、引き続きPidPort事業を担うメドメイン株式会社と、Medteria事業をもつメドテリア株式会社の2社に分ける意思決定を行いました。
分社化にあたっては、本スキーム以外にも、メドテリアをメドメインの子会社とする選択肢など、さまざまな可能性を検討しました。
しかし、子会社化の場合は以下のような課題が出てきました。
メドテリアの意思決定にメドメインが関与することで、迅速な意思決定が難しくなる可能性がある
親会社であるメドメインの事業状況やIPOのタイミングに子会社が影響を受けやすい
この構造では、投資家からの出資を受けづらくなる可能性が高い
これらの理由から、最終的に今回のスキームによって、メドテリアをメドメインから分けて独立させる判断をしました。
分社化時点では、両社の株主構成は同一としてスタートし、その後、メドテリア株式会社の株主構成を整理した上で今回の資金調達を実施いたしました。
メドテリア株式会社の代表には、これまで事業責任者を務めてきた田代克行さんが就任しました。
田代さんは、SNSをはじめとするソフトウェア分野と医療分野での豊富な事業経験を持ち、メドテリアの成長を牽引しています。
そのリーダーシップのもと、メドテリアはさらなる急成長を目指し、国内外での事業展開を一層加速させていきます。
代表取締役社長 田代克行
メドテリアが解決する課題
「Medteria」は、大学、病院、専門領域、学会といった単位のコミュニティを中心に、現在約4万人の医療従事者や医療系学生のユーザーの方に利用されています。
Medteriaは、医療従事者・医療系学生が直面する医療業界特有の課題に向き合い、テクノロジーによって解決を目指しています。
医療系学生の課題
医師国家試験や医療系国家資格の取得のため、膨大な専門知識を短期間で習得しなければならない
情報や交友関係が学内ネットワークに閉じてしまいがちで、広がりを持ちづらい
医療従事者の課題
専門性を磨き続け、常に最新の医療情報を収集しながら研鑽する必要がある
症例相談をしたい際に、身近で相談できる医師が限られている
メドテリアの提供価値
こうした課題を解決するため、Medteriaは主に以下の3つの価値を提供し、より良い医療環境の構築に貢献しています。
学習支援:医療系国家試験や専門医資格の取得に向けて、効率的な学習をサポートするワークスペースを提供。膨大な専門知識を短期間で習得できる環境を整備。
情報収集支援:最新の医療情報や専門知識を効率的に取得し、議論できる場を提供。医療従事者が常に最新の知識を身につけ、専門性を磨き続けることができるように支援。
ネットワーキング:大学や病院の枠を越えた医療従事者同士のつながりを促進し、新しい仲間との出会いの場を創出。
今後の展開について
今回、調達した資金を用いて、Medteriaのソフトウェア開発やAI技術及び関連機能の開発を進めていく予定です。
また、サービスの運営体制や営業体制を強化し、より多くのユーザーの方に大きな価値を提供できるように体制を整備していきます。
Medteriaは国内だけでなく、既に一部の海外地域でもご利用いただいており、今後グローバル展開も進めていく予定です。
積極採用中です!
事業規模の拡大に伴い、現在メドテリアでは 開発、運営、営業領域で積極的に採用を行っています。
カジュアルな形の面談も大歓迎ですので、ご関心のある方はぜひ一度ご連絡いただけますと幸いです。
メドテリアは、今もの凄くエキサイティングなフェーズだと思います。
私たちと一緒に、医療業界の未来を形作る挑戦をしませんか?
採用に関しての詳細は下記ページをご覧ください!
メドテリア採用情報:https://biz.medteria.io/recruiting-note