【解説】 米国の非営利団体PHMPTがFDAに勝訴し、Pfizer社が提出した全資料32.9万ページの開示を約束させた。順次開示され現時点で10万ページ相当が開示されているが、これがネットで一般公開されたところ、その資料には9ページに及ぶ1,291種類の副反応リストが記されていたというもの。FDAが開示を渋ったのは、この副反応情報を知っていたことを隠蔽したかったからだと勘ぐったデマが拡散された。 然しこれは副反応リストではない。元となったPfizer社の開示資料を確認すると、タイトルに”Review of Adverse Events of Special Interest (AESIs)”とあるように、これは副反応の可能性がある事象を予め定義した事前の安全監視リスト(AESI)である。このAESIの1,291件は、医学文献、臨床試験、政府の保健所等から報告された有害事象42,086例から抽出されたもの。予めAESIという安全監視リストを作成したというだけで、AESIにリストされたからといって必ずしも副反応が発生するとは限らない。AESIで1,291もの種類をリストしたということは、寧ろ厳密な安全性監視を計画したとも言える。本文書の安全監視の結論は「安全性について新しい懸念はない」となっている。